75歳の西川きよしが吉本興業110周年を祝して、「西川きよしのコツコツ全国ツアー」を6月から来年3月にかけて開催する。計11公演のなかでは爆笑問題、錦鯉といった非吉本芸人も出演。来年で芸歴60周年を迎える大師匠を豪勢に祝う予定だ。
西川といえば、後輩芸人がこぞってテレビネタにするほど爆笑の実話が多い。現在も出演中の「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系)でその瞬間に立ち会ったのは千鳥の大悟とノブ。今では2人のテッパンネタになっている。
番組ディレクターから「クレーン上からの撮りでアップになったとき、『大阪最高!』と言ってください」という指示を受けた西川は、後輩である千鳥に「緊張するわ。みんなのいる前で『ひとことください』って言われたら、緊張するんや」と弱音を吐いた。本番になると、出演者がいっせいに大きな拍手。西川がアップになった瞬間に言ったのは、「緊張するわ」だった。しかも、このミラクルが2度も立て続けで起こった。
類似のパターンでさまざまな芸人がおもしろおかしく伝えているのは、吉本が東京ドームでイベントを開催したときの実話だ。総合司会者だった西川は、ザ・ぼんち(ぼんちおさむ、里見まさと)を紹介する際に全力で「おさむちゃんで~す!」と、おさむの登場一発ギャグを丸パクリしたのだ。おさむ本人が登場した際は当然、お客さんのリアクションは薄め。出演者がみな西川の後輩だったため、誰も文句を言えなかった。
西川を振り返るうえで欠かせないのは、元相方の横山やすし。66年に漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」を組み、89年にやすしが飲酒運転で人身事故を起こして吉本を解雇されるまで、上方漫才の頂点に君臨した。横山は、漫才ができなくなったストレスで酒量が増え、96年に肝硬変で帰らぬ人に。西川は今でも仕事前には、やすしさんへ向け手を合わせてから外出するという。
「ある日、いつものように手を合わせていたら、急に肩が重くなったそう。きよしは、あの世のやすしさんからの『今日は行かないほうがいい』というメッセージだと思ったけど、行かないわけにいかない。振り切って外出すると、歩いても歩いても体の重みが取れない。着ていたスーツに目をやると、家の座布団がくっついていたそうです」(エンタメ系ライター)
「コツコツ全国ツアー」では爆笑ネタが量産されること必至だ。
(北村ともこ)