脚光は今だけか…甲子園で松井秀喜や清原和博になれなかった佐々木麟太郎「父親の期待」とスカウト評価の落差

 高校球界で歴代最多140本塁打を放ち、米・カリフォルニア州・スタンフォード大への進学を決めた佐々木麟太郎内野手が2月20日、取材対応をした。

「3」に決定した背番号については他にも「17」、「25」を提案されたことを明かし「高校時代は20番までで与えられていた。自分で選べるのは初めて。米国でも長嶋茂雄さんは有名で、記録だけではなく記憶に残る選手になりたいという思いで決めさせていただいた」と話していた。

 佐々木は昨オフのドラフトでも指名される可能性は十分あったが、日本球界入りはあえてしなかった。理由は本人が最も自覚している。確かに高校3年間で140本という本塁打を打ったが、肝心の甲子園でノーアーチに終わった。高校野球を沸かした清原和博氏や松井秀喜は、甲子園で放った本塁打がとにかく強烈で、プロでの活躍を「特A」ランクで太鼓判を押すスカウトばかりだった。

 そんな中、今回の米大学への進学は父である花巻東・佐々木洋監督の意向で、「打率よりも長打率の評価、OPS(出塁率と長打率を足した値)を重視する米国の方が(麟太郎に)合っている」と本人に打診して決まった話だった。

「日本球団のスカウトの間でも『打撃で凄いのはスイングスピードだけ』という評価で『当たれば飛ぶ』という程度。守備と走塁に関しても平均以下と、決して高いものではありません。父親の洋さんは『それも個性』と問題にしていませんが、守備で緩慢な動きが目立つのは公称113キロという体重に原因があると、辛口の指摘も聞かれましたね」(野球担当記者)

 佐々木の正式な入学は9月で「まずは語学の習得」と本人は気合十分だが、米国大学野球のデビューは早くて来年。今は日本で注目を浴びているが、相当なインパクトを残さない限り、このままフェードアウトする可能性も十分ある「決断」と言える。

(小田龍司)

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