鹿島も「お下がり監督」Jリーグ開幕ウラで売却・買収話が飛び交うクラブ弱体化と疲弊

 JリーグJ1が2月23日に開幕を迎え、32年目のシーズンに突入する。野々村芳和チェアマンは「次の30年に向けて新たなスタートの年。究極の目標は世界一のリーグになること」と宣言していた。

 確かに昨季の総入場者数は1096万人となり、これは過去最高だった2019年シーズン比の99.3%。野村氏は「コロナ禍前まで押し戻すことができた」と胸を張り、テレビの地上波への露出も3倍増、Jクラブ全体の売り上げも1700億円を突破したと具体的な数字を提示してJリーグ復活をアピールするが、本当にそうだろうか。

「実はこのオフも、複数のクラブで売却、買収の話が絶えなかった」

 とはサッカー担当記者。Jリーグ全60クラブのほとんどが経営に苦慮しているのが実態なのだ。

「例えばクラブ史上初のJ3に降格した大宮は、昨季もJリーグのスポンサー企業が本気で売却しようとしましたが最終的にまとまらなかった。1998年NTT関東が親会社となりスタートしたものの、Jリーグ昇格後はずさんな強化策で監督も選手も各クラブのお下がりばかりの補強。結局はJ3まで降格してしまった」(夕刊紙サッカー記者)

 さらに今となってはお荷物クラブの一つとされ、ここ数年売却の噂が絶えないのが、93年のリーグスタート時から一度も降格していない鹿島だ。

「鹿島は2019年にフリーマーケットアプリ大手のメルカリが買収。これを機にサッカーの神様・ジーコを軸に続けてきたブラジル路線の強化とも完全に決別したこで、一気に弱体化してしまいました」(鹿島担当記者)

 メルカリが鹿島を買収した金額は16億円と発表されているが、これを耳にした日本サッカー協会・岡田武史副会長は「そんなに安くていいのか?」と落胆していた。

「鹿島はかつてFC東京やC大阪で解任歴のあるポポヴィッチ監督が就任しました。『お下がり』の指揮官では、今季も優勝どころか、一つ間違えればJ2降格もあり得ますよ」(前出・夕刊紙サッカー記者)

 そんな今季のJリーグでは、クラブの買収、売却レースに俄然注目が集まる。

(小田龍司)

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