大船渡高校・佐々木朗希投手の「決勝戦登板回避」で地元は侃々諤々

 徹夜で並んだファンも「ウソでしょ?」、テレビの前に陣取った地元の応援団やお爺ちゃんお婆ちゃんも「えっ?」「あらま」と声を失ったという。

 各地で行われている、夏の高校野球選手権の地方大会。その中でも圧倒的に注目を浴びていたのが、岩手が生んだ新怪物、最速163キロの大船渡高校・佐々木朗希投手だ。そんな彼を一目見ようと期待したファンだけでなく、プロ野球関係者やメジャー関係者まで集まった花巻東との決勝戦のマウンドに彼の姿はなかった。

 それどころか打の主軸として4番バッターとしての名前すら、ボードになかった。結果的には12-2で花巻東の圧勝。試合後は日本中で佐々木投手が投げなかったことが物議を醸している。
 
「当然でしょうね。相手は佐々木クンが投げても勝てるかどうかわからない強力打線。しかし、佐々木クンが投げないと好勝負に持ち込めないことは選手も地元の人たちもわかっていたはず。だからこそ失望の声がすごい。この登板回避を野球関係者のOB、たとえば長嶋一茂氏などは『個を尊重した監督の英断』と評価してますし、プロ野球ファンも『佐々木クンの将来を考えた監督は偉い』『ほかのチームメートも納得してると聞いて安心した』『プロになったら地元に恩返ししてほしい』と擁護している。だが一方で、地元では批判も多いようです。岩手県には花巻東をはじめ、盛岡大附という甲子園の常連校がいくつもあります。そんな中で、大船渡高校が甲子園に出られる二度とないチャンスかもしれない。大事な決勝戦を回避するぐらいなら、もっと早い段階で休ませればよかったという声もあります。佐々木クンだけの将来を考える雰囲気に『これが高校野球なの?』と落胆を隠せない地元の人たち、『みんな頑張った』『一度でいいから甲子園で応援したかった』と声を絞り出すのが精一杯といった人が多いようです」(スポーツライター)

 4回戦の盛岡四高戦では延長12回でも192球。準決勝の一関工戦では勝ちが間違いなさそうな展開で完封。そして、決勝戦はまさかの登板回避。あまりの批判からか、翌26日に佐々木投手の右肘に違和感があったという報道が出たが…。

「準決勝も違和感があったのに大丈夫と判断されて投げたようですからね。せめて序盤戦だけでも投げてほしかったというのが、批判している人たちの本音ではないでしょうか。甲子園に出るか出ないかは、佐々木クンと同様に他の部員や地元の人たちにとっても大きかったはず。高校野球はプロ野球の下部組織ではない。3年間練習した部員たちには甲子園は一生に一度の晴れ舞台ですからね」(前出・スポーツライター)

 とはいえ、今回の登板回避で壊れずにすんだ右腕はドラフト1位が確実だろう。ひょっとしたらメジャーで驚くような契約まで可能かも。ともあれ佐々木投手には、他部員や地元の人たちが「あれでよかった」と思えるような、今後の活躍に期待したい。

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