今や死因の第3位!本当はコワい「老衰」の真実(下)寒暖差のストレスも老化を早める

 人生100年時代、皆、安らかな大往生を迎えたいのが本音だろう。そのためには老化速度を遅らせるほかにないのだが、ライフスタイルによって、それは可能だという。

「老化を遅らせるための3原則は、運動、バランスのよい食事、十分な睡眠です。まず運動は太陽の下、1日10分以上は歩いた方がいいですね。ヒザが悪くなければ30分が理想的。そうした運動をすることで、早寝早起きのサイクルを作りやすくなります。ここで重要なのは日光に当たること。日光を浴びることで眠気を誘発する働きのあるメラトニンの分泌が抑制され、起床のリズムを作りやすくなるのです」(医学博士・板倉弘重氏、以下同)

 睡眠薬に頼らないと眠れない高齢者も多いが「薬は体のリズムを崩す上、特定の体の部位の働きを抑えるものですから、その部位にストレスをかけてしまうことになる。ストレスは老化を早める要因のひとつ」というから、日中の運動でいい睡眠を促すことが大事なのだ。

 そして、「大気汚染」も気にした方がいいという。

「排気ガスが多い場所や黄砂が飛んでくるなどの大気汚染は、呼吸機能を阻害してしまうし、発がん性物質も含まれていることがあります。同じく水の汚染もそうですね」

 さらに、暑さや寒さの寒暖差も「寒暖差疲労」としてストレスの元となり老化を早める要因に。自律神経が過剰に働き、精神面では不安増長、慢性閉塞性肺疾患のリスクになるとの研究報告もあり、様々な不調を呼ぶのだ。

「寒暖差は人間にはどうすることもできない不可抗力ですけど、部屋の温度を一定にしたり、衣類などで調節したり、できることはあります」

 他にも、不可抗力とはいえ遺伝子由来のがんにかかってしまう前に「発がん性物質が添加されたものなどを控えたり、対策はある」そうなので、諦めずに、自身の生活を見直すことに損はない。

 ちなみに「老衰」の一番のメリットは、病気やケガの治療で生じる医療費がタダで済むということ。

「せっかく蓄えた貯金を病院にどんどん支払って、高額医療を受けて亡くなる‥‥というわけではないですからね」

 誰でも老化のペースを緩やかにすることで同時に、より安らかな老衰を手に入れることができるのである。

<「安らかな老衰」を迎えるためのチェックシート15>

・早起きをする
・太陽の下、10分~30分以上歩く
・バランスのよい食事をとる
・発がん性物質が添加された物を食べない
・塩分を控える
・血糖値の上昇に気をつける
・早く寝る
・睡眠薬に頼らない
・就寝前にスマホを見ない
・ストレスをためない
・タバコと酒は控えめにする
・空気や水のキレイな場所に住む
・大きな寒暖差を作らないように室温を保つ
・座りっぱなしにならず30分に1度は立ち上がる
・血糖値、血圧、コレステロール値が異常値にならないよう定期的に検査し、正常に保つよう意識する

※ 数が多いほど穏やかな最期に近づける!

「週刊アサヒ芸能」2月29日号掲載

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