直近のメディアの世論調査で、岸田内閣の支持率が軒なみ過去最低を記録。昨年末から続く「パーティー券問題」に加え、裏金議員を政倫審に出席させることもできない指導者に国民の怒りは頂点に達している。ところが当の岸田首相は「支持率に一喜一憂しない」と、どこ吹く風だ。AsageiBIZは今年1月7日配信記事で、岸田氏の「聞かない力」を象徴するエピソードを伝えているが、ここでいま一度、WBC優勝監督に語ったという驚きの“リーダーの極意”を振り返っておきたい。
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「栗山監督は仕事を選んでほしい」「同じリーダーでもえらい違いやな」といった意見がSNSに寄せられたのは1月1日。正午より放送されたラジオ番組「岸田文雄総理大臣・栗山英樹 新春対談」(ニッポン放送)を受けてのものだった。
対談の中で、侍ジャパン前監督の栗山英樹氏が「聞いていいかわからないですけど」と前置きして、「将来のために必ずこれが生きるから、種をまいていく。努力していく。我慢していることってありますよね」と述べて、勝負事ゆえに結果が伴わない時には“しんどさ”を感じると告白。そうした局面で、「何がいちばんしんどいですか?」「難しさとか苦しさとかってどういうとこですか?」と質問をぶつけた。
これに岸田総理は「政策を進めるうえで順番が重要」と述べ、こう回答した。
「ひとつひとつの現象、一時的な負担が増えるとか、一時的な手続きが面倒になるとか、そういった部分が批判されると全体が評価されないことがある。だからこそ全体をしっかり説明することが大事だと思いますし、政治も結果責任ですから、その政策が正しいかどうかは結果が出てみないと国民のみなさんに『正しかったな』と理解していただく、そこにたどり着けないわけですから結果を出すことが大事だということなんじゃないかと思っています」
その後、世論調査の結果については「謙虚に受け止める」としながらも、「一喜一憂してオタオタしてしまっては何のためにこの政策を決断したのかわからなくなってしまう」と述べて、早く結果が見えるよう努力していくと主張した。
こうしたやり取りに、SNSでは《何が苦しいか聞かれて結果責任?》《ん? 答えになってない?》《異次元の回答やな》《岸田総理の聞かない力が発動》といった反応が見られた。
「放送では、岸田総理は野球になぞらえて『最後は試合に勝つ。これが目的』と述べたうえで、政治についても『国民が喜んでくれる結果につながるかどうか』と語っていました。岸田総理が言う、“全体の結果”が何なのか。いまいち伝わらない放送内容となったこともあって、《岸田総理も栗山監督見習ってスパッと辞めればいい》《インボイスは一次的な負担じゃないぞ》と多くの批判が寄せられる結果に…。残念ながら、栗山前監督との対談が支持率回復の起爆剤になることはありませんでした」(政治ジャーナリスト)
岸田総理には、支持率低迷という結果を重く受け止めてほしいところだが…。