岸田政権が掲げる異次元の少子化対策。国民の負担は、岸田総理が言う「ワンコイン」では収まらなかったようだ。こども家庭庁が4月9日に公表した年収別徴収額の試算では、会社員ならば年収400万円で約650円、年収600万円で約1000円となる見込みで、世論の反発を招いている。
4月14日放送の「日曜討論」(NHK)では、子育て中の政治家を招いて、サービスの拡充や財源について議論を繰り広げたのだが、日本維新の会の金村龍那衆院議員の発言が、「世代間の分断を煽ってる」「高齢者の切り捨てが功績だと?」と物議を醸している。
子育て支援金が公的医療保険に上乗せする形で徴収されることに、野党の出席者からは「ステルス増税だ」「世代間の分断を深める」「低所得者ほど負担の上乗せが重くなる」などと批判の声があがっていた。
議論のテーマが子育て政策の財源に移り、「社会の合意形成」のために何が必要か。コメントを求められた金村議員はこう語った。
「大阪においてはですね、教育の無償化を実現するために、高齢者のバス券とかを廃止したりとかですね。合意形成を作るために、まさに改革を断行したきた」
そのうえで、金村議員は「限られた財源の中でどうやって子育て対策に予算を振り向けていくかっていうのは、真摯に国民に伝えていく必要がある」としたうえで、政治と金の問題で政治不信を招いた自民党に苦言を呈していた。
この発言に、SNSでは「ドヤ顔で敬老パス廃止したとか言われても」「高齢者の無料バス廃止を自慢げに語る維新」「それこそ分断工作では?」などと批判が殺到する事態に…。
「大阪市では2012年に当時の橋下徹市長が、市営地下鉄とバスを無料で利用できる敬老パスの廃止を発表。橋下市長が市議会で『歩くことで健康になる人はいっぱいいる』と答弁して物議を醸しました。それまで無料だったものが、1回の乗車で50円かかり、さらに年間3000円の更新手数料も必要になったのです。一方、大阪府では高校の授業無償化が今年度から段階的に導入されるとあって、子育てに手厚いのは事実。しかし、あたかも敬老パスの廃止が功績であるかのように語っては、視聴者の反発を招いて当然かもしれません」(社会部記者)
子育て支援金の徴収方法をめぐっては、今後も議論の的となりそうだ。