ついに「3000円超」も…インバウンド「ラーメン人気」は続々爆騰を招くのか

「1000円の壁」を超えられず、2023年には倒産や休廃業したラーメン店が過去最多を記録した。そんな中、国内屈指のスキーリゾートとして外国人観光客が大挙して訪れる北海道のニセコにあるスキー場のレストランでは、ラーメンが3800円で販売され話題となっている。ラーメン店が生き残る道はインバウンドシフトにあるのか。

 東京商工リサーチによると、23年のラーメン店の倒産は45件、休廃業・解散は29件となり、どちらも統計を開始した09年以降最高となった。ラーメンに使われる小麦や豚肉、背脂など多くの食材価格が高騰している一方で、ラーメン店では一杯1000円以上にすると急速な客離れを起こすとされる「1000円の壁」が存在されると言われ、値上げができないままコストアップに苦しめられた挙げ句、倒産や休廃業に追い込まれるケースが急増している。

「しかし一方で、ニセコのスキー場にあるレストランでは醤油ラーメンや味噌ラーメンが1900円で提供され、かにラーメンなどは3800円にもかかわらず、訪日外国人たちからすると『むしろ安い価格』と注文が相次いでいるといいます。ここ最近は寿司よりラーメンを好む外国人も増えており、彼らにとっては円安の影響もあって1000円は安すぎる価格なんです」(ラーメンライター)

 では、ラーメン店は外国人をターゲットにした方が稼げるのではないだろうか。

「都内でも3000円台でラーメンを提供している店がありますが、ラーメン店がインバウンドシフトするのは危険かもしれません。というのも、訪日外国人の特に家族連れはメニューを注文するのも食べるのにもとにかく時間がかかる。ラーメン店は回転率が大事ですから、長居をする外国人はむしろ売上がマイナスになる可能性すらあるのです」(前出・ラーメンライター)

 しかも、インバウンドシフトしたところでリピーターは期待できない。

「円安や海外でのラーメンブームが落ち着けば、ピタリと客が来なくなるという可能性も十分にあります。結局、3000円台で勝負できるのは、訪日外国人の多いレジャー施設のレストランか。国内でも評価の高いラーメン店のみです」(前出・ラーメンライター)

 それを考えれば、どこの街のラーメン屋も一気に値上げ…なんてことはなさそうだ。

(小林洋三)

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