ワークマン業績予想を下方修正、「職人離れ」が指摘される理由

 作業服やアウトドアウェアを販売するワークマンは5日、2024年3月期(23年4月~24年3月)の業績予想を下方修正したと発表した。従来予想から一転して2期連続の減益となる見通しだが、その原因には職人たちの“ワークマン離れ”があるとの指摘がある。

 ワークマンは従来の営業利益257億から8.9%減の234億円に、経常利益は262億円から8.6%減の239億円に、純利益は175億円から8.7%減の160億円にそれぞれ下方修正した。その理由としては、暖冬による防寒商品の販売低迷や円安の長期化が挙げられているが、原因はそれだけではないという。

「実はワークマンは既存店客数の減少が続いていて、昨年4月から今年1月まで前年を上回ったのは7月と10月だけで客離れが進んでいるのです。実は離れた客の多くはもともと同店の常連だった職人たちとされているのです。というのも、ワークマンは『ワークマンプラス』や『#ワークマン女子』などアウトドア向け商品が大人気となり、店舗には若者たちが殺到しました。そのおかげで、作業着は隅に追いやられ、駐車場にも車がなかなか停められないといった状況から職人たちが敬遠してしまったのです」(経済ジャーナリスト)

 職人たちのワークマン離れは憂慮すべき事態だという。

「アウトドアウェアはキャンプブームの影響などもありますから、ある程度売上が落ちる時もあるでしょうが、職人が買う作業服は基本的に大きくデザインが変わることもなく、値下げせずとも安定的に売上が期待できる部分となっています。その作業服が売れないとなるとワークマンの根幹を揺るがすことになりかねない。キャンプブームも下火になったと指摘される今、作業客を何としても繋ぎとめたいところでしょう」(同)

 果たして、ワークマンは職人たちのハートを取り戻すことができるのだろうか?

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