「10円パン」に続くヒット商品、新大久保の「韓国式プリクラ」に行列のワケ

「コリアンタウン」として韓流エンタメや韓国グルメ好きの女性に人気の町、東京・新大久保。平日や休日問わず、韓流ショップの営業が始まる9時30分過ぎから、10代~20代の女性たちで賑わいはじめ、昼前には大久保通りを中心に活況を呈している。

 流行の移り変わりも早く、コロナ禍前には、チーズタッカルビやチーズハットグ(韓国式アメリカンドッグ)が大ブームになった。新大久保在住のライターが、ここ数年の「ブームの変遷」についてこう語る。

「数十軒もあったチーズハットグを提供するお店は、今では2、3軒くらい。その後、次なるヒットを求めて飲食店はあれこれと試しましたが、空振りが続きました。コロナが落ち着いてから、ようやくチュクミ(イイダコ鍋)の飲食店が急増したのと、『10円パン』が流行りましたね」

 若い世代にウケなければ、オープンから3カ月後に、韓流ショップや飲食店が〝模様替え〟していることも珍しくなかった。そんな状況下で、新大久保でブームの兆しを見せているのが、「韓国式プリクラ」だ。前出・ライターが解説する。

「韓国発のプリクラは『人生4カット』と呼ばれ、1回の撮影でバリエーションを変えながら、4つの表情を撮ることができ、まるで4コマ漫画のように縦長のシートにプリントアウトされます。K―POPアイドルがSNSで撮影の様子を投稿したことで話題になると、お店にはうさぎ耳のカチューシャなど小道具が豊富に用意され、韓国の若者の間でブームになりました」

 日本のプリクラと言えば、進化しすぎて誰を撮影したのか、もはやわからないほど盛れているが、韓国の場合は加工をせずに、盛らないほうがイケてるのだという。23年末には、大久保通り沿いにセルフスタジオ「PHOTO SIGNATURE」がオープンした。

「当初は入り口から見ただけでは何のお店からわかりにくく、客足は寂しそうでしたが、2月下旬から若い女性が行列を作るようになりました。これまでも韓国式プリクラは日本に上陸していましたが、盛り上がりはイマイチ。しかし、新大久保で若い女性の間で人気に火がつけば、一気にブームになるかもしれません」(前出・ライター)

 これは儲かると見るや、すぐに他のお店も便乗するのが、商魂たくましい新大久保の経営者たち。すでに新大久保界隈では、韓国発プリクラを始めるお店が増え始めているという。

(風吹啓太)

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