対抗と目されるのは高市早苗経済安保相(62)。派閥に属さない一匹狼だが、昨秋公開の収支報告書では1億2000万円以上を集めているほどで、男性議員を含めたポスト岸田の中でも断トツの集金力を誇る。
「おじさんキラーで地方のファンが多いんです。党員票は他の女性議員では太刀打ちできないでしょう」(政治部デスク)
残る課題は党内の多数派工作だが、
「保守系議員の支持は厚いが、党内リベラルは高市大臣に『NO』。敵が多く、現状、保守系票以上の広がりは見えづらい」(ジャーナリスト鈴木哲夫氏)
と厳しい。しかし、そんな状況を打開しようとしてか、高市氏は昨年11月に党内の勉強会「『日本のチカラ』研究会」を主宰。これまで2度開催され、会員は約50人を数える。
「保守層を中心に党内基盤を固めることが目的でしょう。茂木派の小野田紀美議員(41)、旧安倍派の杉田水脈議員(56)らいわゆる“右寄り”の女性議員が2回とも出席しており、今後、協力関係を結ぶことも考えられます」(政治部デスク)
ところで、ここへきて怪気炎を上げるのが、前回の総裁選で高市経済安保相としのぎを削り、今もホームページ上に「日本初の女性内閣総理大臣を目指す」と記す野田聖子元総務相(63)だ。ジャーナリストの山村明義氏が語る。
「地元・岐阜の党会合で、『今年は最初で最後の大勝負に出る年』と語り、総裁選再出馬への意欲を隠しません。永田町での彼女の評判は、とにかく精神的にタフ、というもの。18年に夫が元暴力団員であると週刊誌が報じ、出世の目は絶たれたと誰もが思っていましたがひるむ様子はない。総裁選まで残る7カ月、推薦人をかき集めて回るでしょう」
無派閥の高市経済安保相、野田元総務相にとって、派閥政治の解消がプラスに働くことは十分ありうるだろう。さらに野田氏には、超強力な“援軍”がいた。政治部デスクがその正体を明かす。
「小池百合子東京都知事(71)です。小池さんの自民党在籍時、2人は初の女性総理候補という立場でライバル関係にあると言われましたが、実は仲がいい。野田さんの実妹がコンサルタント業をしており、小池さんの選挙を手伝ったりもしているくらいです」
小池都知事が去った後の自民党において、女性議員を増やす活動を続ける野田元総務相は、党内の“女親分”と呼ばれており、陰ながら慕う女性議員は一定数いるという。加えて、
「小池都知事は八王子市長選や府中市長選、江東区長選などで自公と相乗りで候補者を推薦したり、応援に駆けつけたりと、自民党の一部の議員に貸しを作っています(*江東区長に当選した木村弥生氏は後に辞職)。国政復帰をもくろんでいるとも言われる小池都知事ですが、年齢を鑑みても、今年7月の知事選への3選出馬が本線。これまで築いた貸しを、盟友の野田氏に対する“助け舟”のために使う可能性は否定できません」(山村氏)
野田元総務相は常々、小池都知事に「そろそろ自民党に戻ってきて、一緒に女性総理を目指しましょう」と共闘を呼びかけてきた。その約束は、当初とは違った形で果たされるのか。
【3】「エッフェルVS愚か者めが『東大同期』がメラメラ…」