豊田自動織機の「エンジン不正」にガックリ落胆している人々とは

 豊田自動織機によるエンジンの排ガス試験不正問題で、国土交通省は30日、立ち入り検査を実施。「型式指定」の取り消しなどの行政処分を視野に、不正の経緯や書類の分析、関係者への聞き取り調査などを進める。

 トヨタ自動車は当該エンジンを搭載する「ランドクルーザー300」「ランドクルーザー70」「ハイエース」など6車種を生産する国内4工場6ラインの稼働を2月1日まで停止すると発表。納車を待ちわびているファンから悲鳴が上がっている。

 特にランクルはこれまで納車にかなりの時間がかかっており、予約者からは諦めに似た声も出始めた。

「ランクルは2021年8月に14年ぶりのフルモデルチェンジが行われ、受注が殺到。日本だけでなく世界でも人気になっており、トヨタは発売当初『納期は4年程度となる場合がある』と告知しています。実際、いまだに初期オーダーをさばききれず、現在は新規オーダーを停止しています。またランクルとフレームを共通化する『ランドクルーザー70』は、昨年11月29日より発売となりましたが、その時点ですでに予約完売。予約者が殺到したため抽選が行われましたが、倍率は数十倍とも言われており、ハズレた人から苦情が殺到しました。運良く当選した人もラインが止まったことで、納期が延びるのは間違いないでしょう」(自動車ライター)

 不正を行っていたメーカーの自動車などキャンセルすればいいじゃないかという声も聞こえてきそうだが、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」として70数年にわたり販売されてきたランクルは、もはや唯一無二の存在。おいそれと他車に浮気することはできないのだ。

 ダイハツに続くトヨタグループの不祥事に、一番肩を落としているのは、実はランクルオーナーではないだろうか。

(ケン高田)

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