昨年7月に新制度が施行され、ヘルメットの着用義務などが緩和された電動キックボード。しかし、警視庁によると、施行からの半年で電動キックボードに関する交通違反の摘発が全国で7130件あったことが明らかとなり、早くも規制強化を求める声が相次いでいる。
「23日の警視庁の発表で、電動キックボードの摘発が急増していることが分かりました。新制度が施行された直後の7月は405件でしたが、12月にはその4倍以上である1879件と増加傾向となっています。違反の種類では通行区分違反が3440件で最も多く、信号無視が2685件で続き、酒気帯び運転も37件あったそうです。警視庁は摘発が相次いだことについて、利用者にルール周知が徹底されていないのでないかと分析しています」(社会部記者)
道交法の改正によって、電動キックボードは昨年7月から時速20km以下のものであれば、16歳以上であれば免許は不要で、ヘルメットの着用の努力義務となり、「自転車並み」の扱いとなった。しかし、電動キックボードによる危険運転などが頻繁に報道されていることもあり、《規制を強めるべき》といった声も少なくない。なお、長野県軽井沢町では電動キックボードによる死亡事故が起きたことを受け、昨年12月26日から公道での使用を控えるようホームページなどで呼びかけている。
「実際に車を運転しても、都内での電動キックボード利用者のマナーの悪さは目立ちます。この半年間での事故は85件で、けが人は86人とのことですが、今後はさらに増えていく可能性が高そうです。海外では、フランスで電動キックボードの事故が増加したことを受けて、運転年齢を12歳以上から14歳以上に引き上げ、2人乗りなどの違反に対する罰金を大幅に増額。パリでは住民投票での反対が圧倒的多数だったことからレンタルサービスも昨年8月末で廃止されています。今後、日本でも摘発や事故が相次ぐようであれば、法改正の見直しも必要になってくるかもしれません」(交通系ライター)
利用者のルール徹底で済めばいいのだが…。
(小林洋三)