TBSと同様、男女逆転の世界を描き、昨年末に放送を終えたNHK版は、Season1の方が注目度は高かった。理由は“攻めすぎNHK”とも騒がれた過激さにある。
初回から、後に大奥に上がる水野祐之進(中島裕翔)と幼なじみの白石聖(25)が白昼堂々“路チュー”を披露。さらに第5話では、倉科カナ(36)が演じる柳沢吉保と桂昌院(竜雷太)のラブシーンが描かれた。吉保の着物をはだけさせ、太ももをねっとりとなで回すシーンはとてもなまめかしく、続く第6話では視聴者も驚く衝撃的な濡れ場が登場する。
後継者を亡くし、子作りを強要される仲里依紗が演じる綱吉は、ドラマの中で「当代一の色狂い!」とからかわれるほど、大奥の男たちを物色しまくる役どころ。胸を強く揉まれるばかりか、男にまたがり、腰を前後に揺らすグラインドで恍惚の表情を浮かべるなど“NHKらしからぬ”過激な濡れ場が話題をさらった。
「汗だくになって艶シーンを演じたかと思うと、みずからの運命を呪って慟哭する。その姿には女としての心の叫びが込められた、まさに迫真の演技でした。視聴者から『こんなシーン放送していいの』といった声も寄せられていましたね」(佐々木氏)
ちなみに、綱吉の“色狂い”はそれだけではない。3Pをしたかと思えば、目の前で「むつみ合うてみよ!」と、男同士の“ボーイズラブ”を毅然と言い放つこともあった。
「濡れ場を撮影するにあたって、NHKは初めてインティマシー・コーディネーターを導入しました。制作側の意図を俳優に伝え、演じる俳優を身体的・精神的に守るためです。そのぐらい艶シーンに力を入れて作り上げたという点では“神大奥”と言ってもいいかもしれませんね」(佐々木氏)
大奥といえば濡れ場を心待ちにする視聴者も多いと思うが、今回の令和版でも期待はできるのか。
「NHKはスポンサーがないから忖度なしに攻めることができたのでしょう。しかし、民放はスポンサーの関係上、ある程度、制限されるのはしかたがありません。とはいえ、エロスを表現するのはカラミがすべてではない。例えば、日頃お目にかかれないモデル系のハーフタレントが襦袢を着て現れる。そのギャップだけでもたまりません」(秋本氏)
濡れ場がすべてではないが、どのような妖艶なシーンを見せてくれるのか、令和版にも期待したい。