これで、2年連続だ。
中日のドラフト1位ルーキー・草加勝投手(22=亜大)が「右肘内側側副靱帯を損傷した」ことが発表された。メスを入れないPRP(多血小板血漿)注射治療で早期復帰を目指すことも同時発表されたが、ここで思い出されるのが、前年のドラフト1位・仲地礼亜投手だ。
仲地はキャンプ終盤に一軍合流し、オープン戦も好投。しかし、シーズン序盤で左脇腹を痛め、ルーキーイヤーのほとんどをファームで過ごした。
「PRP治療は2カ月ほどで練習を再開できると言われていますが、そこから調整して実戦テストを積むことになるので、後半戦に一軍登板できるかどうか…。新人なので無理をさせることはないでしょう」(名古屋在住記者)
中日は2年連続で、新人投手の活躍がなくなったわけだ。もっとも、中日は先発投手陣が豊富だ。草加の出遅れが、最下位脱出の成否に直接響くことはないだろうが、こんな見方もある。
「昨季の阪神の勝因は、大竹耕太郎、村上頌樹の活躍です。育成も大事ですが、チームの雰囲気を変えることができるのは、ニューフェイスの活躍です。昨季までの2年連続最下位の暗いムードを変える何かが必要です」(前出・記者)
となれば、4番定着が予定されている中田翔に全てが掛かっているというわけか…。中田に期待する声は実際大きい。しかし、
「一塁にはビシエドもいます。昨季までの成績なら、立浪和義監督はスタメンで中田を使ってくるでしょう。ただ、ビシエドもレギュラー落ちの危機を察しており、オフにハードなトレーニングを積んできたと聞いています」(関係者)
中田とビシエドが高いレベルでのレギュラー争いをしてくれれば、ニューフェイスの出遅れも打ち消してくれるだろう。
立浪監督は1月16日の12球団監督会議後、草加離脱の件を質問され、「本人がいちばん残念な思いをしていると思うので」と冷静に答えていたが、一軍戦力として計算していたはず。
中田とビシエドをどう使いこなしていくのかが最下位脱出のカギとなりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)