4月14日にオンエアを開始したユニクロの新CMが評判を呼んでいる。綾瀬はるか(36)が出演するTVCMシリーズ「ふだん着の日が、人生になる。」の第5弾で、桑田佳祐(65)が手掛けた楽曲にのせて、あらゆる人の日常をさわやかに切り取った映像が印象深い。
CMでは、黒人女性とアジア人女性のカップルがユニクロの看板商品「エアリズムインナー」を着て、生活感溢れる部屋のベッドでくつろいだり、お出かけや公園デートを楽しむ様子が映し出される。綾瀬はカップルが訪れた花屋の店員役で登場し、仲睦まじげな2人を見て「もしかして、記念日ですか?」と声をかけ、花束を勧める様子がナチュラルに表現されている。CM終盤には「風通しのいい世界へ。」と画面にテロップが入り、「エアリズムインナー」のセールスポイントとしての“風通しの良さ”と、差別や偏見のない“風通しの良い世界”のダブルミーニングと受け取れる。
このCMを観た視聴者からは《なんか泣きそうになるほど良いCM》《偏見や差別がほんとになくなって、みんながこの綾瀬はるかみたいに当たり前に受け入れてくれる社会になってほしい》《こんな優しいジェンダーフリーの世界がいいよね》《このCM見ると幸せな気持ちになるな》《初めて見てビックリした!こういう作品を普通に公共の電波にのせられる世の中になったと思うと感慨深いよ》《エアリズムのCMに泣かされるとは…》と絶賛の声が相次いでいる。
ジェンダーなどの社会問題を取り入れた「報道ステーション」のCM動画がミソジニー(女性蔑視)的であると炎上したことも記憶に新しい。批判を呼んでしまったのは、男性視点で表現された女性であることに違和感を覚える人が多いからだろう。フラットな視線でナチュラルに同性カップルを描いたユニクロは、消費者の感覚を上手に汲み取ったことが評価につながったのだろう。
(浜野ふみ)