「大麻、MDMA、LSD、コカイン…」人気ラッパーが法廷で明かした驚愕の使用歴

 俳優の永山絢斗をはじめ、日本大学のアメフト部員など、薬物関連の事件が世間を騒がせた2023年。そしてまた一人、人気ラッパーがコカインの使用容疑で逮捕・起訴されていた。被告人となり、法廷で明かした驚きの薬物使用歴とは…。お笑い芸人で裁判ウォッチャーの阿曽山大噴火がリポートする。

 TikTokでバズりSNSを中心に今年話題になったミュージシャンが2023年の年末、東京地裁の法廷の被告人席に座っていました。罪名は、麻薬及び向精神薬取締法違反。起訴されたのは、今年の9月20日に被告人が愛知県名古屋市内のホテルの部屋で、コカインの粉末を吸引して使用した件。

 罪状認否で被告人は「間違いありません」と罪を認めていました。続けて弁護人が「裁判所には前もって連絡していましたが、即日判決でお願いしたいです。でないと混乱が生じる恐れがありますので」と、違法薬物の使用という単純な内容で罪も認めているので判決まで一気にやって欲しいというお願いです。混乱とは一体…。

 検察官の冒頭陳述によると、被告人は高校を中途退学後に音楽家として活動していたそうです。特定の住居は無く、ホテル暮らしをしていたとのこと。被告人は2017年に知人から勧められて大麻の使用を開始。後にコカインも使うようになっていたとのこと。そして2023年5月には自分で知り合いの売人からコカインを購入して使用していたそうです。

 被告人は別件の薬物事件で捜査を受けていて、警察から尿を提出するように言われ、採取した被告人の尿からコカインの陽性反応が出たので9月20日に逮捕というのが事件の流れです。

 取り調べに対して被告人は「9月20日の午前3時頃、ホテルでコカインを使用した。密売人をツイッターで探して連絡を取り、9月19日にコカインを買った。2年前に知人が逮捕されたので薬物の使用は一時的にやめていたが、今年の5月からは売人からコカインを買っていた。ストレス解消のために使っていた」と供述しているそうです。

 傍聴席には被告人の身内なのかファンなのか綺麗な若い女性が多かったので「誰かが情状証人なのかなぁ」と思いきや、特に情状証人は無し。みんなニュースで事件を知って傍聴に駆け付けたのかも知れませんね。という訳で、いきなり被告人質問です。まずは弁護人から。

弁護人「本件の前に、密売人からコカインを買ったという事で捜査を受けてましたね?」

被告人「そうです」

弁護人「ちなみに買った相手は誰ですか?」

被告人「ジョンです」

弁護人「その捜査の中で尿を提出してコカインの陽性反応が出て逮捕となったわけですが、本件で使ったのはジョンから買った物じゃないですよね?」

被告人「はい。ツイッターで売人を探して、前日に名古屋で買いました」

弁護人「SNSで簡単に見つけて買えるものですか?」

被告人「買えると思います」

 使ってた被告人が言うんだから間違いないでしょうけど、ツイッターことXでは違法なクスリも探すことが出来てしまうのが現状のようです。

弁護人「違法薬物を使い始めたのは何歳の時ですか?」

被告人「18か19歳の頃です」

弁護人「なんで使ったんですか?」

被告人「遊び半分です」

弁護人「それは他の人と一緒にという意味ですか?」

被告人「当時のラッパー友達と家でやったりしてました」

弁護人「今もあなたの周りで違法薬物を使ってる人は、音楽関係者でもそれ以外の友達でもいますか?」

被告人「今は1人でやってたので、それは分かりません」

 きっかけはラッパー仲間だったけど、最近は1人きりで使っていたとのこと。

弁護人「コカインは誰から買ってたんですか?」

被告人「基本的にジョンです。都合がつかない時はツイッターで探してました」

弁護人「今、ジョンは?」

被告人「逮捕されてると聞きました」

弁護人「もうジョンとは接触しませんね?」

被告人「はい」

弁護人「でもジョンがいなくても、ツイッターで買えるんですよね?」

被告人「もうSNSはやめます!」

 アカウントがあると売人を探してしまうかも知れないので、ツイッターはやめると法廷で約束です。

弁護人「取り調べでは、他の違法薬物も使っていたと答えてますね?」

被告人「えぇ、もう一通り。大麻、MDMA、LSD、コカイン、覚醒剤」

弁護人「メインで使ってたのは何ですか?」

被告人「大麻とコカインですね。他のは10代で体に合わずイヤな想いをして止めて、自分に合うのは大麻とコカインでした」

弁護人「どんな時に使いたくなるんですか?」

被告人「ライブの後に1人になった孤独感を紛らしたい時です。あとは外に出るのが怖い時とか眠れない時です」

弁護人「そんな状況になったら、また使うんじゃないですか?」

被告人「いえ、病院に行って安定剤や睡眠薬を処方してもらって、お医者さんに出されたものを服用します」

 合法の薬に頼ることになるようです。それなら、ライブ後の孤独を感じない為に音楽活動を辞めるという選択肢もありそうですが、それについては弁護人が質問しました。

弁護人「今後、違法薬物をやらない為にはどうしますか?」

被告人「音楽を頑張り続けたいです」

弁護人「今は活動休止中だけど、再開したいと?」

被告人「はい」

弁護人「逮捕がニュースにもなって、業界のイメージも悪くしたと思いますが、回復の為にも違法薬物に手を出さずに音楽は続けると?」

被告人「はい」

 ファンは一安心ですね。確かに音楽関係の人からコカインを入手したという事件でもないし、被告人も音楽活動にやりがいを感じているようなので音楽を続ける為にも違法行為はやらないということなんでしょう。続いて検察官からの質問です。

検察官「さっきね、18歳くらいから違法薬物を使っていたと。頻度は?」

被告人「多い時で週5回。少ない時で週に1回とか」

検察官「クスリがないと落ち着かない?」

被告人「入ってきたお金を全て薬物に使っていた時期もあるので…そうかも知れません」

 今はどうなんだ?と気になるところですが、検察官も深く追及せず。

検察官「今保釈されて、再犯しない為にやってることはありますか?」

被告人「ツイッターを開くと買う手段を知ってるので、もう見ないと。あとは病院に行って薬を処方してもらってます」

検察官「もし仮に売人とか昔の仲間にしつこく誘われたらどうしますか?」

被告人「断ります。もう家族やファンを苦しめたくないので」

 音楽活動を続けるのは苦しめたファンの為でもあるんですね。気になる求刑と判決は…。後編に続きます。

阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)
大川興業所属のお笑い芸人であり、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載多数。

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