「翔んで埼玉」ヒットのウラで…群馬テレビが迎えた「異常事態」

 11月23日に公開された映画「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」が好調だ。公開後4日間で観客動員約44万4000人、興行収入約6億3000万円を記録したという。舞台となった関西では、何と前作より3倍の人が映画館に足を運んでいるようだ。

 もちろん同作は埼玉をディスる自虐ネタ満載で、茨城・栃木・群馬の北関東各県での人気ブービー争いに火を点けたことでも知られる。ただ自虐映画では、実は群馬県が本家。「翔んで埼玉」前作の19年公開に対し、17年には「お前はまだグンマを知らない」が先んじて公開され、「未開の地グンマー」、「日本最後の秘境」などと、自らの〝秘境〟っぷりを笑いに変えていたものだが…。その群馬では現在、さらなる〝秘境化〟が進行していて、現場は笑いどころか関係各者が本気で怒っているのだった。

「地元のテレビ局の『群馬テレビ』が、11月30日をもって、太田市、桐生市、邑楽郡で営業していた支社を閉鎖したのですが、前日の29日には、地元太田市の清水聖義市長が、『(地元の)情報量が少なくなる。はなはだ遺憾だ』と漏らしたばかりではなく、さらには『田舎者扱いされて排除されていく』と語気を強める場面がありました」(全国紙記者)

 実は群馬テレビは、関東初の独立テレビ局として1970年に開業した、北関東の名門。資本などで群馬銀行が同社をリードし、県庁OBが歴代の常勤役員を務めるなど、地元キモ入りのテレビ局だ。だがテレビ冬の時代。もちろん群馬テレビも例外ではなく、やはり群馬銀行出身の現社長の武井和夫氏が経費節減と配置転換のリストラを行っていた。するとこれに組合が反発。10月18日には組合が県労働委員会に救済を申し立てていた。

 すると大株主の県としてもこれを捨て置けなかったようで、山本一太知事が問題視。「異常事態だ」とまで語っていた。

「組合は幹部5人が不当に配置転換され、組合活動に違法に介入したと主張しています。そして何が問題かといえば、武井社長は『ニュースはNHKに任せておけばよい』と発言したのだとか。組合が主張しているところによれば、武井氏が14年に社長に就任以後、約60人の従業員が昨年8月までに25回、延べ人数122人の配置転換が行われ、報道番組の縮小や下請けとの契約打ち切りがおこなわれたということです」(同)

 そしてさらに進んだリストラ策として、群馬県の主要都市である前橋や高崎から離れた太田市周辺が対象となり、支局が「飛んで」しまったというわけだ。

 だが太田市にしてみれば、SUBARU発祥の地としての誇りもあれば、スポンサー様に対して顔向けできなくなるというバツの悪さもある。関係者にしてみれば、とてもじゃないが笑える事態ではないだろう。

(猫間滋)

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