JR東日本クロスステーションは、JR東日本の駅ナカなどに出店していたハンバーガー店「ベッカーズ」の最後の1店舗となっていた「柏店」を閉店すると発表。37年の歴史に幕を下ろすこととなり、惜しむ声も相次いでいるが、コロナ禍の勝ち組と言われたハンバーガー店が生き残れなかった理由はどこにあったのだろうか。
「ベッカーズは1986年に新宿店をオープンさせると、90年代には自家焼成のバンズが人気となり、関東近郊のJR東日本の駅などに系列店を含め最大で40店舗ほど出店していました。しかし、ここ数年は閉店する店舗が急増し、ついには最後の柏店も11月22日をもって閉店することになったのです。なお、ブランド終了に伴い、9日から2週間は1990年代に販売していた『ベッカーズバーガー』を今の食材で可能な限り再現した『ラスト・ベッカーズバーガー』を販売するといいます」(フードライター)
ハンバーガー店といえば、もともとテイクアウトやデリバリーの利用者が多かったことから新型コロナウイルスの感染拡大にもすぐに対応し、“コロナ禍の勝ち組”とも言われていた。しかし、その一方で21年度には倒産件数が前年の6倍になるなど店じまいするところも少なくなかった。なぜ創業37年でJR東日本の関連会社が運営する「ベッカーズ」は勝ち組側になることができなかったのか。
「ハンバーガー店で実際に勝ち組になったのはドライブスルーを店舗に併設していた大手のみで、鳥貴族が『トリキバーガー』を出店するなど新規参入組も相次ぎましたが、実際にはほとんどコロナ特需はなく、苦戦するところの方が多かったというのが実情です。また、『ベッカーズ』はJR東日本の駅ナカを中心に出店していたこともあって、コロナ禍はテレワークが推奨され、駅の利用率が急減したことから、思いがけない大きな打撃を受けてしまったのです」(経営コンサルタント)
懐かしのベッカーズバーガーを食べたい人は最後のチャンスにぜひ。
(小林洋三)