「ようやく出荷開始」テスラのサイバートラックが「火星で走れても日本では走れない」理由

 米電気自動車(EV)大手テスラは、10月18日、多くのファンが待ち望んでいたピックアップトラック「サイバートラック」を11月30日から出荷する方針であることを明らかにした。この車を予約した人はすでに150万人を超えたと言われている。ただ、日本の公道で見かけることはないかもしれない。

「2019年にカリフォルニア州で開かれた発表会でお披露目されたサイバートラックは、直線的でカクカクとしたサイバーパンク風のデザインと、鉄球があたっても壊れない頑丈さを持つことで大きな注目を集めました。また、発表会で頑丈さを示すために窓ガラスに鉄球を投げたところ簡単にヒビが入ってしまい、その影響で株価が大幅に下落したことでも話題となりましたね。同車は発表直後から15万台の予約が殺到する人気ぶりでしたが、当初は21年に出荷される予定だったものが何回も延期され、発売時期が伸び伸びになっていました」(モータージャーナリスト)

 サイバートラックの発売は24年以降になるとの噂もあったが、18日に行われた同社の第3四半期決算報告の中で11月30日からついに出荷がはじまることが示された。ただ、同車の年間可能生産数は12万5000台となっているので、もし150万台の予約が事実であれば、多くの人は納車されるまでにまだ何年も待つ必要がありそうだ。

「日本の公道でサイバートラックは走れないかもしれません。欧州では安全基準を満たしていないため、現状のままでは販売できないとされていますが、日本でもそのカクカクとしたデザインが外部突起規制に抵触するとみられています。そのため、日本仕様にデザインを変更する必要があるでしょう」(前出・ジャーナリスト)

 サイバートラックは車幅が2m超あり、その無骨で頑丈なボディとマスク氏の「火星愛」を揶揄して「火星における公式トラック」とも言われるほどだが、現状のままでは日本の道を走るのにはあまり適していないのかもしれない。

(小林洋三)

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