X(旧Twitter)はニュージーランドとフィリピンで年間1ドル支払わなければ投稿などができなくなる「Not A Bot」というサブスクリプションのテストを開始したと発表した。マスク氏はXの全ユーザーに料金を課すことについて否定的な見方も示していたが、今回のテスト結果によっては完全有料化に踏み切ることになるかもしれない。
「マスク氏がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との対談の中で、『大量のボットを消すためには、少額の月額制を導入するのが思いつく唯一の方法だ』と発言したことで、世界中のメディアはXが有料制に向かっていると一斉に報じました。しかしその後、マスク氏はXの完全課金制を報じる米ネットメディアの投稿に付いた『マスク氏は(中略)全ユーザーに料金を課すとは言っていない』と書かれたコミュニティノートについて、『コミュニティノートがまたゴールを決めた』と投稿。完全有料化には否定的だとみられていました」(フリージャーナリスト)
しかし、17日になってXは突如として「Not A Bot」というサブスクのテストを開始したと発表。既存のユーザーに影響はないが、今後ニュージーランドとフィリピンで新しいアカウントを作る場合は、年会費1米ドル(約150円)を支払わなければ投稿やリポスト、いいねなどは出来なくなり、実質的な閲覧専用アカウントとなる。Xによると、このテストはスパムやボットを削減するための取り組みであり、「収益化に向けたものではない」と説明している。
「『Not A Bot』は完全にマスク氏がネタニヤフ首相との対談で話していた構想と同じなので、有言実行ということなのでしょう。ただ、今回のテストが成功したとして、その後も新しいアカウントだけが有料になることはないでしょうから、いずれ全ユーザーに1ドルの支払いを求めることになると考えられます。月額なら12円程度なので、支払っても構わないという人も少なくないでしょうが、Xにクレジットカードを紐付けることに抵抗がある人は多いかもしれません。年間1ドルで済めばいいですが、どんどん値上げされそうな予感もしますからね…」(同)
Xは「Not A Bot」のテストについて、「結果については近々お知らせできることを楽しみにしています」としているので、まずはその結果の発表を待とうではないか。
(小林洋三)