「オウムを知らないZ世代」が相次ぎ入信、公安調査庁が啓発アラート!

 公安調査庁の公式Xアカウントが、Z世代からにわかに注目を集めている。

 公安調査庁は2013年8月からツイッター(現・X)で、施策や取り組み、情報を発信している。5月には外国情報機関員による情報収集について特集し、「ためになる」と評判だった。

 さらに6月21日には、「オウム真理教を知らない世代の方々に向けて、オウム真理教が何をしたのか、どんな団体だったのか、現在は何をしているのか、などについて知っていただくための活動をしています」とツイート。これまで8回に分けてオウム真理教について解説し、地下鉄サリン事件を含む当時の教団の活動を知らないZ世代が関心を寄せている。

 実際、1995年にオウム真理教が引き起こした松本サリン事件から丸30年が経過したこともあり、当時を知らない若者がオウムの後継団体に入信し、トラブルになるケースが相次いでいるのだ。

 一部メディアの調査では、若年層の約2割は教祖の麻原彰晃について「知らない」と答えており、関係者は危機感を募らせている。

「オウム真理教を知らない若者の中には、麻原の写真を見て『根はいい人そう』などと答える者もいて、事件を知る大人たちを驚かせています。近年はオウムの後継団体がSNSなどで正体を隠して若者を勧誘し、実際に親と連絡が取れなくなった若者もいます。公安調査庁のオウム真理教に関する投稿はわかりやすくまとまっており、この投稿がきっかけで、松本サリン事件や地下鉄サリン事件を知ったという人も多いようです」(社会部記者)

 サリン事件が起きた長野県松本市の松本署では、今年6月、事件を知らない職員が増加したことを受けて、オウム真理教の事件に関する研修会を開いている。警察官を目指す若者ですら一連の事件を知らないのだから、今後も公安調査庁のような取り組みがますます重要になっていくだろう。

(ケン高田)

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