夏の国際大会で2連勝したノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅が25日、塩沢ジャンプ大会に凱旋出場。今季国内初戦を快勝して好調ぶりを見せつけた。19−20年の高梨は期待が持てそうだが、こんな情報も飛び交っている。
「高梨は帰国後の空港会見で『ジャンプが安定しなかった』と反省の弁を述べています。このまま欧州の大会に専念するのかと思ったら、いきなりの帰国です。冬の本番に備え、調整の時間がほしかったようです」(体育協会詰め記者)
昨季の高梨は不振に陥った。原因はいくつかあるが、一つは調整の難しさだ。高梨は一昨年、体重不足による失格という苦い経験をしている。そのため一時期は体重管理を気にしすぎて、それがジャンプのキレ、タイミングに影響したとも見られていた。
「一連の不振は脱出できたと思います。それでも高梨は、完璧主義と言うか、考えすぎてしまうところもあるので心配です」(同前)
先の空港会見でも、“考えすぎる性格”を垣間見せた。高梨は今年のサマージャンプから新シューズを着用している。関係者によれば、靴の中に敷きつめるインナーを改造したという。「ジャンプの瞬間、かなり力が入るようになった」(同)とのことだが、そのインナー改造のヒントは、「夜の趣味」にあったそうだ。
高梨はトーク番組に出演し、病的とも言えるスニーカーコレクターであり、夜中に一人でスニーカーを磨いたり、防水スプレーをかけたり、靴紐をプロテインシェーカーで洗濯するといった“趣味”を打ち明けた。インナーの改造はそのシューズのケア中にひらめいたとされ、シューズをゴシゴシ磨きながら、改良箇所を発見したという。
今回、国際大会で結果が出ているのに、あえて国内調整を選んだのはそのインナーに再改良が必要だと分かったからとも見られている。
「高梨は団体合宿よりも、個人合宿で調整していくタイプ。インナーの厚さを改良することにおいても、高梨自身しか分からない、コンマ1ミリの世界ですよ」(前出・関係者)
そういえば、今季からエナジードリンクのレッドブルと契約しており、ヘルメットなどには同社のロゴが掲載された。エナジードリンクを飲んで、スタミナは十分。インナーの改良のため、これから始まる秋の長い夜を過ごすことになりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)