来季もヤバい!? 引退する選手が「4番DH」で出場…立浪竜の深刻人材難

「引退試合」もいろいろな形式があるようだ。

 10月1日、松田宣浩の引退セレモニーが行われた。引退選手特例での一軍昇格ではあったが、6番三塁でスタメン出場。2打数ノーヒットではあったが、ファンから温かい拍手が送られていた。しかし、同日は別の球場でも“惜別の試合”が行われていた。

 4番・指名打者、福田永将——。中日・福田は今季限りでの現役引退を表明している。

「福田のほか、堂上直倫、大野奨太、谷元圭介も今季限りで現役を退きます。彼らは自ら引退を表明しましたが、チームは2年連続最下位に沈んでいますから、これから戦力外を通達される選手が例年よりも多く出そう」(名古屋在住記者)

 10月3日、球団は福田たちの引退セレモニーを予定しているが、2軍では不可解な光景も見られた。引退を表明した福田が試合に出続けているのだ。それも、4番で。直近10試合を調べたところ、全て4番ではなかったが、指名打者でクリーンアップを任され、30打数9安打。規定打席数には到達していなかったが、打率3割3分3厘は現2軍のトップだ。

「福田は『1軍戦力になれなかったこと』を引退の理由に挙げていました。一般的に考えて、引退表明をした選手をスタメンで使い続けるのって、どうなんですかね? 来季以降を見据えて、若手を起用すべきなんですが」(同前)

 捕手の加藤匠馬がスタメン三塁を任された試合もあれば、同じく捕手の味谷大誠が一塁を守ることもザラ。明らかな野手不足であり、試合を成立させるため、引退表明した選手をスタメンに駆り出さなければならないほど困っていたのだ。

「野手不足はチーム編成の失敗です。故障者が出たせいでもありますが」(関係者)

 1日でファーム公式戦は終了した。最後まで戦力として試合に出続けたのは、ある意味で幸せなのかもしれないが、福田の胸中は複雑だろう。堂上らもそうだが、引退する時期を見誤ったのではないだろうか。

(飯山満/スポーツライター)

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