現在、中国・杭州で開催中の「アジア大会2023」。9月15日には都内で日本選手団の結団式が行われたが、その際にクリケット日本代表の木村昇吾が語った「(クリケットでは)20億、30億、40億と稼いでいる選手がいます」というコメントが話題になっている。
実は、木村は横浜、広島、西武の3球団を渡り歩いた元プロ野球選手。17年シーズン終了後、戦力外通告を受けて未経験のクリケットに挑戦し、異例の転身としてメディアでも取り上げられた。それだけに今回の結団式でも注目選手の1人に挙げられており、発言の内容にネット上では、《そんなに稼げるの》《日本のプロ野球やサッカーより全然上じゃん!》など、驚きの声が挙がっている。
「野球のルーツと言われるクリケットですが日本ではまだまだマイナースポーツです。しかし、ファンの数はサッカーの約35億人に次いで世界2位の約25億人。競技人口に至ってはサッカーの約2億6000万人を上回る3億人です。野球ファンの数が5億人、競技人口が約3500万人ですから、クリケットが世界でいかにメジャーなスポーツか理解できるはずです」(スポーツジャーナリスト)
クリケットは南アジアをはじめ、英国やオセアニア、西インド諸島などで絶大な人気を誇る競技。中でも野球のMLBやサッカーのイングランド・プレミアリーグに相当する最高峰のリーグがインドのプロリーグ「IPL」(インディアン・プレミアリーグ)である。
IPLの選手の平均年俸は約4億円で、クリケット界最大のスター選手であるヴィラット・コーリの22年の年収(年俸+広告収入等)はなんと3390万ドル(約50億円)。米国のスポーツビジネスメディア「スポルティコ」が発表した「22年スポーツ選手年収ランキング」では61位にランクインしている。ちなみに日本人では大坂なおみが5320万ドル(約79億円)で20位だ。
「しかも、IPLのシーズンは毎年3〜5月の間の7週間程度。つまり、1シーズン8カ月の野球、10カ月のサッカーとは比べ物にならないほど短期間で稼げるスポーツなんです」(前出・ジャーナリスト)
木村がかねてより目標に掲げているのは日本人初のIPL選手。ぜひそれを叶えてプロ野球時代には果たせなかった億超え、いや10億超えプレーヤーの仲間入りをしてほしいものだ。