お疲れ様です。この時期になるといつも思うけど、9月に入るとあっという間に年末がくるもんだって。お金に縁がないと私のところに相談に来る人と話していて思うのだが、縁がないというよりも、自分の元にお金が残らないようにしているだけの人が案外多い。
まずは貯蓄。つまり貯金、預金をすればいいのだが、金利が0.01%とかほとんど利息がつかないので、貯蓄したくなる気が起こらないのもよくわかる。
でもね、探せばあるんです。今回、紹介する商品は貯蓄としては販売されていない。しかし、実態はすごく有利な、時に貯蓄の何百倍もお得な商品なのだ。
毎月5000円とか1万円を5年間積み立てる。5000円で5年だと30万円。その後、5年間は手をつけず、積み立てを初めて10年後には、30万円が30万9000円になって戻ってくるというもの。3%増えて戻ってくるのだ。
「何だよ、こんなに読ませて10年でたった3%かよ。ふざけんなっ!」と、腹を立てないでほしい。10年で3%増えるだけでも今の時代には十分いいとは思うけれど、お得なのはそれだけではない。
これは「明治安田生命」の「じぶんの積立」という保険商品だ。10年後に保険の満期金として戻ってくるので、郵便局や銀行などで貯蓄した時、利息にかかる20.315%の税金もかからない。9000円まるごと手にすることができる。
でも、この保険契約でいちばん得をするのは、ここから。「所得税」と「住民税」がお得になるのだ。条件は生命保険の死亡保険などの生命保険料控除を受けてないこと。細かい計算は省くとして、効率のいい5000円コースの場合、所得税から3万5000円が控除されるので、例えば年間所得が約400万円の人なら、そのうちの20%の7000円が所得税から返金される。そして住民税は2800円がお得。合計9800円の節税になるのだ。
年間で6万円を積み立てるだけで9800円も税金が戻ってくる。積み立て金の16%を超える金額だ。これが積み立て期間中、つまり、1年目から5年目まで毎年、得できる。30万円を積み立てている間は9800円が5年間、さらに10年後には9000円増えて戻ってくる。30万円の積み立てで合計5万8000円も得できるわけだ。
5年経ったら、また新しい契約をして同じように積み立てを始めれば、やはり毎年、税金で得ができる。
万が一、途中でお金が必要になった場合は、保険契約を解約することで現金化することもできる。お金は解約払戻金として戻ってくる。そしてここがポイント。その金額は必ず保険会社に払った金額を下回らない。つまり、お金を減らすことはないのだ。
では「じぶんの積立」にデメリットはないのか? もちろん、ある。それは面倒だということだ。契約する時には明治安田生命に連絡をして、保険外交員の人とやり取りをして契約となる。私の場合は契約に1時間ほどかかった。
税金で得するためにも、明治安田生命から毎年送られてくる書類をきちんと管理して申告して、税金が戻ってくるように手続きをしなくてはならない。途中で保険解約の手続きをする時も、銀行などの預貯金と違って、即日現金を受け取ることはできない。
しかし、一度契約してしまうと、銀行からの引き落としになるので、自然とお金は貯まっていくし、途中で現金化したくなった時も面倒なので、本当に必要な時以外は手をつけないようになるだろう。
給料をもらい、税金を納めている人で、生命保険の死亡保険などの保険契約をしていない人にピッタリの月5000円で始める金融商品。いつの間にか毎月お金がなくなっている人、若い人、貯蓄するクセがない人などにオススメしたい。
佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」(扶桑社)ほか多数。