フェニックス・リーグ全員参加も…岡田阪神「38年ぶり日本一」にこれだけの懸念材料

 9月14日に18年ぶりの優勝を遂げた阪神タイガース。マジックはあれよあれよという間に減っていき、9月は負けナシの11連勝でフィニッシュという圧倒的な戦いぶりだった。クライマックスシリーズ(CS)も圧勝するのでは?と虎ファンの期待は高まるばかりだが、「心配材料はある」と口を開くのは、スポーツ紙デスクだ。

「残り試合が順調に消化されれば、阪神の公式戦は10月1日で終了。18日に始まるCS・ファイナルステージまで中16日と試合間隔が空く。最大3試合を行うCS・ファーストステージの勝者とは、実戦感覚と緊張感という点でどうしても差が出てくる」

 そのため岡田監督は、10月9日から宮崎県で行われる「みやざきフェニックス・リーグ」へ1軍全選手を参加させるようだ。

「フェニックスリーグは毎年この時期に行われる教育リーグで、来季を見据え主に若手に試合経験を積ませる目的がある。CS進出チームの投手が調整登板のために参加することはよくあるが、1軍全選手というのは聞いたことがない。投手陣も主力野手も、18日から逆算してここで調整するのだろう」(前出・スポーツ紙デスク)

 とはいえ、懸念材料はまだある。

「ズバリ、岡田彰布監督自身ですね。阪神での第1次政権、そしてオリックスと豊富な指揮経験がある岡田監督ですが、ポストシーズンでの戦績は良くない。05年の日本シリーズと07、08年のクライマックスシリーズを合計しても1勝8敗。当時の阪神の公式戦の成績から考えれば、この数字はいかにも悪すぎます。特に05年の日本シリーズはロッテに圧倒され、0勝4敗。4試合の得点合計は4−33という屈辱的な大敗でした。第1次政権時代の岡田監督は“短期決戦が苦手”とまで言われました。なお、オリックスの監督時代はすべてBクラスで、CS出場していません」(野球ライター)

 ちなみに2005年、パ・リーグのレギュラーシーズン2位だったロッテは、当時まだ「プレーオフ」という呼称だったポストシーズンを勝ち抜いて日本シリーズに進出。対するセ・リーグにはまだプレーオフがなく、阪神は10月5日にレギュラーシーズンを終了すると、22日に日本シリーズが開幕するまで16日間、ちょうど今年と同じだけ空白期間が生じていた。

「日本シリーズ前に、休養十分な阪神が有利なのではと言われていましたが、フタを開けてみればロッテに4タテを食らう大敗。当時、岡田監督は敗因の1つとして“試合勘”を挙げていました。フェニックス・リーグはこの年から12球団に拡大され、阪神も1軍選手を送り込んで調整させていたのですが…。やはり教育リーグと、その間プレーオフでレベルの高い試合を行っていたロッテでは緊張感が違ったのでしょう」(前出・野球ライター)

 セのCS・ファーストステージを勝ち抜くのは果たしてどのチームになるのか。阪神は、岡田監督言うところの“試合勘”問題を克服し、ペナントレースで見せた圧倒的強さを発揮できるのだろうか。

(石見剣)

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