先のバスケットW杯で日本代表は19位、アジアでNO.1になった。48年ぶりの快挙達成で、空前のバスケブームが起きつつある。するとこれに呼応するように、米バスケットボールNBAの国内放映権をもつ「NBA Rakuten」が月額2970円から4500円(税込)に値上げされることが9月19日、発表された。また、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」に契約すればタダで見られるという抱き合わせ商法も明らかとなり、かなりの反発を呼んでいる。
全試合が見放題の「LEAGUE PASS(シーズン)」と一部の試合が見られる「BASIC PASS(月額)」も廃止されるので、どうしてもNBAが見たいのなら、月4500円の「LEAGUE PASS(月額)」に入るか、楽天モバイルの契約をするしかない。しかも、これまで月契約をしていた視聴者は、9月20日以降は自動更新されないので、10月20日以降は新たに契約しないといけない。面倒この上ないのだ。
「楽天がNBAと放映・配信で独占契約を結んだのが17年10月で、17-18年シーズンからでした。八村塁がNBAに参戦したのが、19-20年シーズンからなので、これに先んじていたわけですが、当時は20年に開催予定だった東京五輪での盛り上がりを期待してのものでした。だから結果的にですが、以後、八村塁や渡邊雄太のNBAでの活躍を見たいなら、NBA Rakutenと契約する必要がありました」(スポーツライター)
いわば先見の明があったわけであるが、そこへ来ての便乗的値上げでは、反感が高まるのは当然というもの。NBA Rakutenのホームページでは、トップ画面にコミュニティ欄があるので、視聴者の意見が見られるようになっているが、そこでもやはり「流石にこれは無理…更新しないよ」「結果楽天の企業イメージは間違いなく悪くなったよな」といった辛辣な声が寄せられている。中には「(楽天モバイルの)SIM契約だけして寝かしとけば月980円でNBA見れるよ」と、抜け穴を伝授するコメントもあったが、抜け穴というよりは、それこそが楽天の狙いなのかもしれない。
楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は6月1日からサービスを開始したもので、データ利用料が無制限で月額2980円(税込3278円)だが、使用量が3GBまでなら980円(同1078円)というもの。もちろん低料金のデータ通信使い放題は、大赤字に喘ぐ楽天モバイルが起死回生のサービスプランとして投入したものだ。だから必死なのは分かるが…。
サッカー、野球、F1、テニスなど国内外の試合を幅広く見られるスポーツ専門の動画配信サービスDAZNが月額3700円(税込)だから、今回の価格改定がいかに強気かが分かる。果たしてバスケファンはどう判断するか。
(猫間滋)