8月29日、総務省は有識者を集めた会議でNHKのインターネット配信をテレビと同様の扱いとなる「必須業務」に格上げし、スマホやPCでNHKの番組を視聴した場合には受信料を徴収する方針を固めた。これにネット上では批判の声が殺到している。
「テレビ離れが進む中で、NHKはネットでも主体的に番組を提供するべきという意見が挙がっていて、報告書にはネット配信を必須業務とするべきであると明記されました。これにより、受信料を支払ってテレビで放送を観ている人が不公平にならないように、受信料を支払わずにネットで番組を視聴する人には『相応の負担を求める』との見解が示されたのです。なお、テレビと違ってスマホやPCを保有しただけで受信料の支払いを求めるのは適当ではないとし、スマホアプリをダウンロードするなど積極的に視聴する意思を示した人に対して支払いを求めるようにするといいます」(フリーライター)
ここ数年、NHKに対しては視聴していなくてもテレビを設置しているだけで受信料の支払いを求められることに強い反発の声が多くあがっていて、最近ではNHK受信料の支払い義務がない「チューナーレステレビ」が人気となっている。その影響もあってか、NHK受信料収入は4年連続で減少しており、世帯支払い率も3年連続で低下している。
「NHK離れが深刻化する中でどうにか受信料を確保しようと、今年4月からは受信料未払い者に2倍の額を請求できる『割増金』制度が導入され、そしてネット視聴者からも受信料を取ろうという方針を示しているわけです。ただ、いま現在受信料を支払っていない人が、わざわざ受信料を支払ってまでネットでNHKの番組を視聴するかと言われれば、利用者はかなり少ないと考えられます。そうなった場合、次はもっと強引な方法でネット受信料を徴収するような方針に転換する可能性もないとは言い切れません」(経済ジャーナリスト)
ますますNHK嫌いの人が増えそうだ。
(小林洋三)