パビリオン建設促進「窮余の策」に批判多数…大阪万博「撤退か延期」がいよいよ現実味!

 パビリオン建設の先が見通せないことから、予定通りの開催に黄色信号が点っている25年大阪・関西万博。

 窮余の策として新たなパビリオン建設案が万博協会から示されたが、その内容については否定的な意見が多数だ。

「万博のパビリオンは、タイプA、B、Cの3種類がありますが、問題は参加国や地域が自前で建物を建設するタイプAの準備が進んでいないことです。タイプAには中国やドイツ、オランダなど56の国・地域が手を上げているものの、本来なら建築申請が出されていないとならない7月上旬に申請はゼロでした」(地元記者)

 ようやく7月28日に「1件の申請」があったことを申請受付先の大阪市が明らかにした。とはいえ、わずか1件ではとうてい足りない。そこで今回、建設の早期着手と独自性を担保した折衷案とも言える「タイプX」なるものが示されたのだった。ところが…。

「タイプXは要するに、協会が建設費などを肩代わりして建物を先に立てるというものです。長方形の建物だけを先に作って、後は参加国・地域のしたいように外装や内装を整えてもらう。費用は後払い。とはいえ、この措置には、『とにかくハコさえ作ってしまえばなんとかなる』という場当たり的な対応との批判も多いのです」(関西マスコミ記者)

 プランXについては、各国に対し8月中の回答を求めているという。大阪府の吉村洋文知事は「新たな選択肢が増えた」と楽観的だが…。

「タイプAの建設が進まないことがわかった8月上旬には、自民党の船田元衆院議員がメルマガで『勇気ある撤退』を主張しました。SNS上では《よく言った》など、賛意を示すコメントが目立ちますね。さらに、経済評論家の高橋洋一氏も『半年延期』を主張しています。高橋氏はかつて大阪市の特別顧問を務めていた人物。その彼が、延期が妥当と言っているわけですから、進捗状況がいかに苦しいかがわかろうというものです」(前出・記者)

 万博開催のコンセプトの1つに「人類共通の課題解決に向け、世界の英知を集め…」とあるが、もはや「撤退か延期」という課題について英知を結集する時なのかもしれない。

(猫間滋)

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