「結果を出せなければ次はない」の評価は変わっていない。
阪神が中日にサヨナラ勝ちし、マジックナンバーを「25」に減らした。岡田彰布監督は延長10回二死満塁のピンチをしのいだリリーフの島本浩也を褒めていたが、評価が分かれるのが、先発の西勇輝だ。
5回3分の2を投げ、失点3。今季不振で先発ローテーション復帰を目指すうえでは物足りない。岡田監督は「まあまあ良かったからね」と一定の評価をしていたが、次回登板での合格ラインはさらに高くなりそうだ。
「シーズン前半、西の調子が上がらず、キャッチャーを梅野隆太郎から坂本誠志郎に変えてみてはどうかとの意見も出ていたんです」(在阪記者)
梅野は左尺骨を骨折し、今季中の復帰は厳しいとされている。また、梅野と坂本のどちらが優れているかという話ではない。パートナーの捕手を梅野から坂本に代えても勝てないとなれば、どうなるのか。同日、西は今季初めて坂本とバッテリーを組んだ。首脳陣が西にしてやれることはなくなったのだ。
「7月5日に一軍登録を抹消され、約1ヵ月半、ファームで再調整をしてきました。体を鍛え直すというよりも自身のピッチングスタイル、変化球の精度を確かめ、調整してきました。ファームでの練習内容は全て西自身が決めました」(球界関係者)
同日の体調は万全だったという。岡田監督の口ぶりからして、次回の先発登板のチャンスはもらえそうだが、そこで勝てなければ西の評価はガクンと落ちるだろう。
「ファームでは、腰痛で抹消されていた才木浩人がブルペン投球を再開させ、西純矢も控えています」(前出・在阪記者)
岡田監督は前半戦の不振から立ち直った青柳晃洋のような復活を、西には期待していたという。
「西をファームに落としたとき、岡田監督は『結果を出せなければ次はない』と厳しい言い方をしました。次回登板で評価が下されると思います」(前出・在阪記者)
次回がラストチャンス、胴上げ試合に「西がいない」なんてことにならなければいいのだが…。
(飯山満/スポーツライター)