井筒監督×ラサール石井「岸田政権〝返納〞ストレート対談」(1)市役所職員の目の前でマイナカードを処分!

 2003年の新年合併号に週刊アサヒ芸能で連載スタートした井筒監督の「アホか、お前ら!」。読者の皆様からの熱い励まし、アンチからの激しい批判を浴び続けながら、駆け抜けたぜ20年。今回はさらに鋭く世に切り込む宣言のごとく、50年来の知り合いだというラサール石井氏と緊急サミットを開催。禁止用語をすり抜けつつ、本音をズバッとお届けします!

-監督、連載1000回突破ですよ!

井筒 20年以上やもんね。もう何を書いたかもいちいち覚えてないけど、しっかりライフワークやな。

-そこで今回は記念対談ということで、ラサール石井さんに来ていただきました。

石井 連載1000回はすごいですね。しかし、何で今まで呼ばれなかったんだろう(笑)。

井筒 石井ちゃんは映画の「ゲロッパ!」で内閣調査室、「パッチギ!」の続篇で映画プロデューサー。「無頼」では大阪の組長役で出てくれたし、実はめちゃくちゃ古い付き合いなのよ。

石井 5つ上の兄貴が、監督と顔見知りだったんですよね。

井筒 当時、オレが高校出たばかり19歳で、16ミリのドキュメンタリー映画を撮り始めてた時に、関西大学(の学生運動)でヘルメットかぶってる知り合いもいて、その大学仲間だったのが、なんと石井家の兄ちゃん。それで撮影を手伝ってほしいと頼んだついでに、兄ちゃんの実家もロケに使わしてやと押しかけたのが石井家との最初なのよ。

石井 「戦争を知らんガキ」という映画でしたね。

井筒 で、その次はピンク映画のデビュー作「ゆけゆけマイトガイ・青春の悶々」も石井家の2階で撮ってたんだわ。

-そんな意外なつながりだったとは!

石井 そうなんですよ。マイトガイは僕が鹿児島ラ・サールに通ってて、ちょうど夏休みで実家に帰ってた時で、(出演していた)三上寛さんのファンでもあったし、しかもピンク映画だから「うちでベッドシーンがあるんや」と、めちゃくちゃ興奮して!

井筒 ほんまかいや!

石井 連れて来られた女優さんがセーラー服着たまま缶ピー吸ってたのを覚えてますよ(笑)。

井筒 ロシア系の茜ゆう子ちゃん。でも、ようそんなん覚えてるな!

石井 そしたら、2階でやるからキミら出てってくれって言われて、なんや見せてくれへんのかと。

井筒 昭和30年代が舞台の映画で、石井家が旧家でちょうどいい雰囲気だったのよ。だからまた押しかけたんやけど、障子は破るわ、柱は傷つけるわ、ヒューズは飛ぶわで、兄貴にド叱られましたわ。

石井 その次にお会いしたのはもう僕が芸能界に入ってからで、実はあの時の弟です、と。あぁ、そうかと言われて。

井筒 もちろん、コント赤信号なのは知ってたけど。とにかく最初の出会いから数えると石井ちゃんとはこの業界でいちばん長いね。

-監督の連載は、岸田政権のぶった斬りを毎週のように展開してますが、そんなラサールさんも今や、反政府派としてYahoo!ニュースの常連ですね。

井筒 オレも石井ちゃんの発言や提言だけは必ず読んでるよ。

石井 何でこんなことになっちゃったのか(笑)。事務所も最初はやめてくれ、仕事が減りますからって。確かにテレビにも出られなくなっちゃった。まあ、僕がテレビに出られるようになったら、いい社会になったってことですよ(笑)。

井筒 Me Tooや(笑)。

-しかも、今やマイナンバーカード返納ブームの立役者と見られてます。

石井 そう思われちゃってますよね。

井筒 そうよ。石井ちゃんが返してから、みんな返納しに行ってるから。

石井 鎌倉市役所に返納に行ったら、隣にいたおばあちゃんも返納しに来てて、「お仲間がいてよかったわ」と喜ばれちゃって(笑)。

井筒 先日も阿佐ヶ谷の駅前に返納アジテーターおばちゃんがおったな。

石井 鎌倉のおばあちゃんは「怖いじゃない、色々知られちゃうんでしょ」と言いながら、すごく毅然としてて、カードを預かろうとした職員に「私の前で破棄してください」と言うわけですよ。だからICチップのところをパンチで穴を開けてもらって。そしたら僕に「あなたもやってもらいなさい」って(笑)。

井筒 じいちゃんたちも見習わなあかんね(笑)。でもそれを聞くと返納者は何万人もおるんちゃうの?

石井 返納が毎月数百というのは、絶対に少なく言われてると思いますよ。

井筒 政府がマスコミをだましてるかもしれんね。

石井 コンビニで印鑑証明も取れるし、いちいち役所に行かなくて済むならと思って作ったんですよ。もともと新しいものには興味があるし。ただ、紐づけすると言い始めた頃からちょっと怖いなと。それで返納すると言ったら、ネトウヨが「あれだけ批判しといてカード持ってたのかよ」って。

井筒 ほんま、ネットは銀蠅みたいなタチの悪い奴らが絶えずおるから。

石井 くそリプは見ないようにしてますけどね。見ると反論したくなっちゃうから。だから5000リツイートとかされてるんだけど、バズってんだか炎上してんだかわからない(笑)。

井筒 石井ちゃんの発信には「その通り」と思う人は多いし、増えてきてるよ。

石井 行く先々で「いつも読んでます」と言われることは多くなりましたね。

井筒 マイナこそ独裁政治の最たるもの。政府が国民の何もかもを管理やなく、監視するためだから。

石井 マイナカードに保険証を紐づけます。まあ、それは別にいいですよ。でも申請があまりないと、今度は2万ポイント付けます。実はこれが飴で、鞭は紙の保険証を廃止しますよって。もう逃げ場がなくなる。やり方がヤクザのみかじめ料と同じなんですよ。

井筒 前の保険証で誰も困ってないし、何の問題も苦情もなかったわけだから。

石井 ほんとにそうなんですよ。ただ、いくら返納ブームでも、政府が走り出したらカード廃止は可能性が低い。だから、せめて紙の保険証の廃止を撤回してもらおうとは思ってます。

井筒 ここにきて岸田があせり出して、資格確認書とか意味不明なこと言い始めたしな。何じゃそりゃだ。

石井 何とか廃止を延長させたいんですけどね‥‥。延長さえできれば、今度は廃止をやめさせるところまでいけるんじゃないかと思ってはいるんです。

井筒 聞く力のない政府だけど、石井ちゃんの発信が庶民の気持ちや国を動かしてるのは間違いないわ!

ラサール石井:1955年、大阪府出身。名門進学校のラ・サール高校から早稲田大学へ進学。劇団テアトル・エコーの養成所で出会った渡辺正行、小宮孝泰と「コント赤信号」を結成。数々のクイズ番組で優勝するほか、声優、俳優など幅広いジャンルで活躍している。

井筒和幸:1952年、奈良県出身。1975年、ピンク映画「ゆけゆけマイトガイ 性春の悶々」で監督デビュー。その後、ピンク映画から一般映画へ。「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS」「ゲロッパ!」「パッチギ!」「黄金を抱いて翔べ」「無頼」など問題作多数。

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