《ラサール石井氏の「マイナ返納一揆」は負け犬の遠吠え》
長崎県平戸市の黒田成彦市長が自身のTwitterにこんなコメントを投稿したのは7月10日のことだった。前日に放送された「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)で、パックンことタレントのパトリック・ハーランが「マイナカード返納運動」に「返納は意味がない」「抗議行動」と一刀両断。黒田市長はこの発言を取り上げたネット記事を引用し、《このパックンの意見は正しいし、合理的判断。多くの賛同が得られ、よってラサール石井氏の「マイナ返納一揆」は負け犬の遠吠え》と切って捨てたのだった。
「マイナカードをめぐっては、別人の口座が紐づけられたり、マイナ保険証が医療機関で認識できないケースが報告されるなど、トラブルが相次ぎ、ネット上では6月頃から『返納一揆』と呼ばれるマイナカードの返納運動が話題になっていました。その急先鋒とも言える存在がタレントのラサール石井さん。Twitterで“返納宣言”を行うと賛否が寄せられ、批判に対しては《紙の保険証廃止による混乱、不具合による再発行。どっちが税金かかるんだよ》などと反論していました」(フリージャーナリスト)
傍から見れば、現役の首長が一介のタレントに舌戦を仕掛けるのは、異様とも受け取られそうだが…。
「ラサール石井さんは7月8日にもマイナカードの自主返納を少数派とする意見に対してTwitter上で《一部が全体に勝つことがあるのが、正しい民主主義》と投稿。黒田市長はこのツイートに反応して《多数が勝つのが民主主義》《大多数にならなければ、いつまで経っても負け犬の遠吠え》と反論していました。これまで二度も『負け犬の遠吠え』とラサール石井さんを“口撃”した黒田市長ですが、平戸市はマイナンバーカードの導入に積極的で、市のサイトでも大きく『マイナンバーカードを取得しましょう』と謳っています。また、昨年6月には初めてスマホを購入するという65歳以上の市民を対象に、2万円分のポイントを支給する助成事業を行いました。もっとも、市が運用する防災アプリを普及させるのが大きな目的で、黒田市長としては行政のデジタル化をもっと推進していきたい。突如盛り上がりを見せたマイナ返納運動は目障りで仕方なかったでしょう」(政治記者)
黒田市長は「マイナ返納」を行った平戸市の市民にも「負け犬」と非難するのだろうか。
(コレッシュ山本)