C・ロナウド、ベンゼマ…大物サッカー選手がサウジ移籍を選ぶ4つの理由

 欧州各国リーグからスター選手のサウジアラビア流出が相次ぐサッカー界。昨年12月のクリスティアーノ・ロナウドのアル・ナスル移籍は世界中に衝撃を与えたが、22-23シーズン終了後も移籍ラッシュが止まらない。

 同クラブにはインテルからクロアチア代表MFマルセロ・ブロゾヴィッチ、マンチェスターUからブラジル人DFアレックス・テレスらが入団。さらにバイエルンのセネガル代表FWサディオ・マネとの契約が秒読みとも伝えられている。

 そんなアル・ナスルを抑えて昨シーズン優勝を果たしたアル・イテハドには、22年バロンドール(世界最優秀選手)受賞のフランス代表のFWカリム・ベンゼマがRマドリードから加入。代表のチームメイトのMFエンゴロ・カンテをチェルシーから、セルティックで古橋亨梧や幡手玲央らと息の合ったプレーを見せていたポルトガル代表FWジョタをそれぞれ獲得している。

 また、昨季3位のアル・ヒラルはメッシの獲得には失敗したが、チェルシーのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリ、ラツィオのセルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチらが加入。今季1部に復帰するアル・アハリは、リバプールで長年主力として活躍した元ブラジル代表FWフィルミーノをはじめ、マンチェスターCからMFリヤド・マフレズ、セネガル代表のGKエドゥアール・メンディがチェルシーから加入している。

「この4クラブはサウジの政府系ファンド『PIF』が買収した実質的な国営クラブ。オイルマネーで潤う資金力は欧州のビッグクラブを上回り、数十億円や100億円超えの年俸提示は当たり前。アル・ヒラルが日本代表の久保建英に4年250億円のオファーを出していたことも話題になりました」(サッカージャーナリスト)

 しかし、久保のように拒否する選手がいる一方、サウジアラビアへの移籍を決断する選手が多いのも事実。ただし、その理由は単純に金銭面だけではないという。

「実は、サウジ・プロフェッショナルリーグは、昔からアフリカ系の選手が数多くプレーしていました。マフレズやメンディ、クリバリはアフリカ国籍ですし、ロナウドも父方の祖母がアフリカ出身。ベンゼマやカンテに至っては、アフリカにルーツを持つだけでなく敬虔なイスラム教徒でもあります。彼らにとっては少なくともアジアや北中米よりもよっぽど身近なリーグなんです」(前出・サッカージャーナリスト)

 一部のファンからは「プレーの強度がイマイチ」との批判の声もあるが、リーグランキングは世界19位。Jリーグ(26位)よりも上で欧州でも中位レベルに相当する。

「住居も超高級コンドミニアムや豪邸を提供され、年俸以外のサポートも他の国とは比べ物にならないと評判です」(前出・サッカージャーナリスト)

 オイルマネーだけではない。選手のルーツや宗教、そしてピッチ外のサポートも含めて、スター選手たちが集結するにはそれだけの理由があるのだ。

スポーツ