「ザイム真理教」と揶揄されても…玉川徹氏の“増税やむなし”に視聴者落胆

 退職金や通勤手当、失業等給付などへの課税案を盛り込んだ政府税制調査会の中期答申が6月30日に提出され、「サラリーマン増税」が明るみになるや、岸田内閣の支持率は急降下。岸田文雄総理は「サラリーマン増税は全く考えていない」と発言するなど、火消しに努めている。

 8月1日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」に、同局を7月31日付で定年退職した玉川徹氏が出演。その発言に注目が集まったが、視聴者からは落胆の声が寄せられている。MCの羽鳥慎一アナから話を振られた玉川氏は、選挙に関わるため、増税関連の話題を避ける与野党に対して「それでいいんですか」と批判してこう続けた。

「今、税金足りないのは誰が見ても明らかでしょ。毎年借金してるんだから。中には、いくら借金しても大丈夫なんだ、みたいなトンデモ理論が出てきましたけど、もしそれが正しいんだったら、日本以外の国を見たらおかしくないですか?」

 玉川氏は今年6月にアメリカが「デフォルト(債務不履行)」をギリギリで回避したことに触れて、「アメリカほどの経済大国でもCAP(借金の上限)を作るために必死でやってる」と主張。さらに「先進国を見ても、一番ひどいイタリアでさえ(政府債務が)GDP比151%ですよ。日本は263%ですよ。ドイツ、イギリスにいたっては100%以下ですから。ドイツ70%ですからね。他の国はなんで財政規律を気にするんですか。日本以外の国は…。気にしなくていいわけないじゃないですか。こういう話すると、“ザイム真理教”とか言われて揶揄されるんだけど、そんなことで気にしてどうするんですか、政治家が。増税の話をきっちりやらないってことは不誠実だと思います」

 そのうえで、「増税するにしても、(税を)どこから取るか」について議論が必要だと述べて、「じゃなかったら私たちは荒涼たる日本を子供たちに残さなきゃいけなくなりますよ」と危機感をあらわに訴えていた。

 玉川氏の“増税やむなし”とする提言に、ネット上では《過去最高の税収あったのにまだ増税?》《玉川さんは会社員じゃないから五公五民もやむなしか》《フランス旅行とか無駄遣いが多くて納得できんのよ》といった落胆の声が寄せられていた。

「森永卓郎さんの著書で一般にも浸透した“ザイム真理教”とは、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化に固執する財務省の役人が、かたくなに増税と緊縮財政を訴え続けているというもので、岸田政権について、このザイム真理教の影響を強く受けていると批判してきました。また、日本の財政赤字を“数字のまやかし”と見て、多くの経済評論家が増税は必要ないとの見解を示しています。こうした意見を玉川さんは“トンデモ理論”と否定したシーンは印象的でした」(メディア誌ライター)

 フリーランスとして番組出演を飾った初日に増税の必要性を訴えた玉川氏。視聴者としては庶民に寄り添った意見が聞きたかったのかもしれない。

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