同じエージェントではあるが、その立場は明暗を分けたようだ。
NBAワシントン・ウィザーズの八村塁が、日清食品、三井住友銀行、ソフトバンクと次々とスポンサー契約を結び、CM出演も果たしている。日本人初のNBA1巡目指名選手、そのスター性を日本企業が放っておくはずがなかった。
「八村のエージェント(代理人)のもとには、今もスポンサー契約の話が舞い込んでおり、それを整理するだけでも大変な作業だそうです」(特派記者)
そのエージェントとは、ワッサーマン・メディア・グループ。カブスのダルビッシュ有、ドジャースの前田健太の代理人として、日本の野球ファンの間ではすでに知られた会社だ。
そんな八村フィーバーの中、同じワッサーマンと契約するマエケンの状況が案じられていた。
「8月11日のダイヤモンドバックス戦で今季8勝目を挙げたマエケンですが、これは5月31日のフィリーズ戦以来、じつに71日ぶりの勝ち星。故障していた他の先発投手も復帰しており、一時は中継ぎ降格の危機にあったんです。実際、7月19日のマーリンズ戦には今季初めて8回から起用されました」(在米ライター)
前田は先発登板数に応じてボーナスが支払われるインセンティブ契約を結んでいる。基礎年俸は300万ドル(約3億3000万円)だが、15先発で100万ドル、20先発で100万ドルのボーナス支給があり、25先発だと150万ドル、30先発ならさらに150万ドルが上乗せされるというものだ。
次に予定されているブレーブス戦(8月17日)が24先発目。このまま順調にいけば30先発が見えており、仮に7月中に中継ぎに降格させられていたら4億円以上も年俸が少なくなっていた。
「前田は中継ぎで結果を出した時期もあり、ポストシーズンマッチで大きく貢献したこともありました。ペナントレースが大詰めになれば、チームは中継ぎ起用を検討するかもしれません」(同前)
エージェントを介し、八村のウハウハぶりは前田も聞かされているはずだが、マエケンにも後半戦で先輩の意地を見せてほしいところだ。
(スポーツライター・飯山満)