フジテレビの豪雨取材でタクシーが水没、取材班が運転手に放った余計な一言

 秋田県で記録的豪雨を記録した7月15日、県内各地で河川が氾濫し、住宅や道路が浸水。中央部の五城目町では翌16日、水没した乗用車の中から男性1人の遺体が発見された。

 そんな中で16日に放送された「Mr.サンデー」の取材映像に視聴者から同情や批判の声が殺到しているという。番組では「秋田“記録的大雨”広範囲で冠水被害」というテロップのもと、15日午後10時頃のVTRを紹介。「昨日、現地に向かったMr.サンデーの取材班。空港からタクシーで宿泊先のホテルに向かう途中」というナレーションとともに、タクシー車内から撮られた秋田市内の映像が映し出された。車内にいるディレクター男性は、こうリポート。

「雨は収まっているんですけど、このあたりの冠水まだぜんぜん、水が引いてないですね」

 タクシーはなお進むも、前方にはパトカーが停車しており、ディレクターが「警察の車が停まっているということは(先に)行けない?」と尋ねると、タクシーの運転手は「行けないでしょうね」と回答。タクシーはバックして、看板の指示通り迂回したのだが、その後、突如として降水量が増したのか、道路の水位が急上昇してタクシーは身動きが取れない状態に…。

 タクシーの運転手が「いやいやいや…非常に危険ですね。バックも動かないです」と語ると、一同は車内からの脱出を決意。車から離れる際、取材ディレクターは運転手にこんな言葉を投げかけていた。

「よほど大事なモノ以外、荷物は諦めてください。危険なので」

 ディレクターが撮影した映像には半分ほどが水に浸かった車体が捉えられていた。豪雨のすさまじさと、いかに水位が急激に上昇するかがわかるワンシーンだったのだが、SNSでは《なぜ上から目線?》《自分はカメラ持ってて荷物をあきらめてって?》《タクシー運ちゃんに無理させたんでしょ》《弁償してあげて!》といったコメントが殺到する事態に。

「ディレクターと運転手は近くにあるコンビニに避難し、許可を得てイートインコーナーで一夜を明かして無事だったものの、タクシーの車両はおそらく廃車するしかないでしょう。番組では空港から宿泊先に向かう途中の出来事と強調していましたが、その頃、すでに市内では営業を取りやめているタクシー会社もあっただけに、運転手さんにとっては災難としか言いようがありません。取材する側が『荷物をあきらめて』と言いながら、カメラを回していたのは、確かに矛盾している印象を受けますね」(メディア誌記者)

 命を最優先すべき状況とはいえ、「荷物は諦めて」という言葉は余計な一言に受け取られてしまったかもしれない。

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