市川猿之助「父親の自殺ほう助」再逮捕で大名跡消滅「止め名」危機

 6月27日、母親の自殺ほう助の疑いで逮捕された歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者が、父親の自死を手助けした疑いもあるとして警視庁に再逮捕された。

 これまでの報道によると、今年5月に猿之助容疑者の自宅で、猿之助容疑者と両親の3人が倒れているのを発見。母親は現場で死亡が確認され、父親の歌舞伎俳優・市川段四郎さんは搬送先の病院で死亡が確認された。

 猿之助容疑者は自身のハラスメント疑惑に関する週刊誌報道を受けて、3人で心中することを決めたという。睡眠薬をすりつぶし、コップの水に混ぜて両親に渡したなどと供述している。

 自殺ほう助とは、すでに自死を決意している人に対して、自死行為の援助をすること。法定刑は懲役6月以上7年以下の懲役または禁錮だ。

 猿之助容疑者の罪はどうなるのか。自殺ほう助の罪が母親1人だった場合、執行猶予がつくとの見方もあった。しかし、両親の自殺ほう助となれば、話は違ってくる。2020年10月、猿之助容疑者のケースと似た事件の判決が下されていた。

 父親の自死を手助けたした後、母親の同意を得て殺害した男性が、自殺ほう助と承諾殺人の罪に問われた。横浜地裁は、懲役3年6月(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。当時の報道によると、被告の男性は自死を図った父親が苦しむ様子を見て〝楽にしてあげたい〟との思いから命を絶つのを助け、その様子を見ていた母親の同意を得て殺害したという。

「承諾殺人の刑罰は自殺ほう助と同じく、懲役6月以上7年以下の懲役または禁錮です。横浜地裁の判例をもとに考えれば、猿之助容疑者の場合も執行猶予がつかない実刑判決となる可能性が高いといえます。そうなれば歌舞伎界から〝強制追放〟となり、猿之助の名跡も消滅しかねません。歌舞伎界では、何らかの事情で2度と使うことがない名跡を〝止め名〟といいます。猿之助が止め名になることも十分考えられます」(週刊誌記者)

 裁判の行方を見守るしかないか。

(石田英明)

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