帝国データバンクは9日、一大ブームとなっていた「唐揚げ店」の運営企業の倒産件数が6月時点で9件にのぼり、これまで最多だった2021年を上回り、過去最多を更新していたと発表した。終わる、終わると言われていた唐揚げブームがついに終焉を迎えようとしているのか。そして、次は何のブームが来るのだろうか?
テイクアウト需要や安価に出店できることなどからコロナ禍に急増した唐揚げ店。ワタミの「から揚げの天才」が1号店のオープンからわずか2年7カ月で、“外食チェーン最速”の100店舗出店を果たしたことも話題になった。しかし、行動制限の緩和によってテイクアウト需要が一服したこと、原材料費が高騰していること、ライバル店が増えて競争が激化したことから唐揚げ店の倒産が急増。帝国データバンクによると、水面下の廃業や閉店を含めれば、さらに多くの店が姿を消しているという。
近年、唐揚げの他にタピオカや高級食パンなどの専門店がブームになっているが、次は何がブームになるのか専門家に話を聞いた。
「ここ最近、じわりと店舗数を増やしているのはアジフライの専門店です。『マツコの知らない世界』(TBS系)や『タモリのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でアジフライが取り上げられたことでも話題となっていて、注目を集めています。そのままの機器を流用できることから、経営の苦しい唐揚げ店がアジフライ店に乗り換えるところも増えているといいます」(フードジャーナリスト)
さらに、もう1つブームの兆しを見せている専門店があるという。
「今、一番ブームに近いのは、おにぎり専門店ですね。唐揚げよりもさらに初期投資は少なく開業が可能で、揚げ物に比べたら格段に冷めても美味しいですからね。おにぎりブームは何度か訪れては消えており、東京・大塚にある『おにぎりぼんご』といった老舗も人気ですが、今はアメリカやフランスでもおにぎりブームが到来していて、インバウンド需要を意識した新店も続々登場しています。SNS映えするようなおしゃれなおにぎりも増えているので、若者からも注目集めていますし、さらに出店が加速する可能性は十分にあると思います」(同)
唐揚げの次はアジフライかそれともおにぎりか。
(小林洋三)