児童4人「軽トラ殺人未遂事件」被害小学生にインタビューした「めざまし8」に批判殺到

 7月6日午後、宮城県栗原市の小学校に軽トラックが侵入し、児童4人をはねる事件が発生。職業不詳の34歳の男が殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。被害に遭った児童は怪我を負うも、幸い命に別状は無かった。翌7日朝には各局報道番組がこの事件を取り上げたが、中でもフジテレビ系「めざまし8」は事件について詳細に報じた。この詳細な報道のあり方が、物議を醸しているようだ。

「そこでロケット飛ばしてたら急に突っ込んできて…。(ひかれた後は自分で)歩けた。2人は歩けて、1人は歩けなかった、立てなかった。泣いてたもん、だって。おでこまでやられちゃった」

 こう話すのは被害に遭った小学4年生の児童。同番組は事件の特集の冒頭に、この被害児童の証言を紹介した。番組では他にも、現場に居合わせたという児童に取材する様子を放送。取材を受けた児童は事件当時を振り返り、「すごく怖かったです」などと答えた。さらに取材班は被害児童の親族や、同校に通う児童の保護者らにもインタビューを行い、事件の顛末や関係者の感情をどのメディアよりも詳細に報じたのだが、これを視聴者は良く思わなかったようだ。

「事件を受け、心配されているのは児童たちに与える精神面への影響です。番組MCの谷原章介も『怪我自体はそこまで重くなさそうですけれども、精神的なね、子供のメンタルヘルスの面で凄く心配ですけども…』と、この話題を扱うにあたり、口にしていました。しかし、子供たちの心のケアが第一優先であるとしながら、事件直後の子供たちにインタビューを行う番組の取材班には、怒り心頭の視聴者も。放送中、ネット上に番組批判のコメントが飛び交っていました」(テレビ誌ライター)

 TwitterなどのSNS上では《「怖かった」って言ってる子供に事件の状況を聞く記者ヤバすぎ》《子供のメンタル心配とか司会者が言ってるけど、じゃあ児童の家まで突撃取材すんのやめろよ》《事件がフラッシュバックしたらどうするの》《被害者児童の家に押しかけて、当時の状況を言わせて、テレビで全国に発信しといて、「メンタルケアがー」って、違和感》《心のケアを一番に思うなら被害児童へのインタビューやめましょう》などの声があがっていた。

 番組の後半では、コメンテーターの唐木明子氏も「こういった報道がされることで、子供たちがさらに『凄いことに遭ってしまったんだ、怖い事だったんだ』って再認識してしまうところがやっぱりあると思うんですよね。そのあたりの心のケアというところを、ご家族の方であったり、学校であったり、地域でしっかりしていく必要があるかなと思いますね」とコメント。

 同番組は“最も視聴者の関心の高いニュースの当事者を独自取材”をコンセプトに掲げているが、子供にまで“独自取材”を行う必要があったのだろうか。

(浜野ふみ)

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