人口対比は日本の倍以上! 韓国でひきこもりが急増中

 今年3月、内閣府が発表した22年度「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、15〜64歳のひきこもりは推計146万人。沖縄県の人口にほぼ匹敵し、大きな衝撃を与えたが、お隣・韓国では日本以上にひきこもり問題が深刻化している。

 今年1月、ソウル市は市内在住の満19〜39歳の4.5%にあたる12万9000人がひきこもり状態にあると発表。日本の場合、3月発表の調査では15〜39歳が2.05%。つまり、人口に占める割合は、日本の倍以上ということになる。これはひきこもりが多いとされる先進国の中でも突出した数字で、英国のBBCが特集番組を放送するほどだ。

 ちなみに韓国の男性は原則28歳までに18〜21カ月の兵役が義務付けられており、大半は20歳前後の期間に就いている。だが、ひきこもり男性の中には兵役から逃れた者も少なくないという。

「うつ病などのメンタル疾患は兵役不合格となるため、通院実績を作るんです。また、痩せすぎや肥満も同じく兵役逃れの方法のひとつで、そうやって家にこもり続ける者もいる。一方で、兵役に就いても特殊な環境下でのストレスであったり、除隊後に仕事がなかなか見つからず、ひきこもる人もかなりいます」(韓国在住ライター)

 日本の場合は自衛隊入隊歴があれば、再就職に有利とされているが、兵役義務が課せられている韓国ではそうした恩恵は得られない。しかも、雇用情勢は日本以上に厳しく、雇用の大きな受け皿となっている製造業は今年に入ってから就業者数が前年同月比マイナスの状態が続いている。

「それに加えて儒教思想の影響が強い韓国は家族主義。成人しても働かない子供を親が養って面倒を見ている。親や家族が健在なら生活はなんとかできるため、このままではひきこもりがさらに増えるとの懸念が高まっています」(同)

 4月、政府はひきこもりの若者に最大で毎月65万ウォン(約7万1000万円)を支給する方針を発表したが、国内では批判も高まっている。生活費を与えることになり、ますます働かなくなるような気もするが…。

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