中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは、4月1日から全国の店舗で販売している「忘れられない中華そば」がおよそ2カ月で累計100万杯を突破したと発表した。昔ながらのシンプルな中華そばだが、ヒットの秘訣はどこにあったのだろうか？
「同商品は3月下旬から京都府内の一部店舗で先行販売され、好評だったことから全国の『餃子の王将』『GYOZA OHSHO』に拡大して提供されています。王将フードサービスが“餃子の王将が創る次のラーメントレンド”と位置づける商品で、専用のラーメン鉢を用意するほど期待が込められていて、キャッチコピーは『懐かしいのに初めての味』『時代を超えて新発売』と昭和レトロを意識したものになっています」（フードライター）
商品の開発には約半年を要したといい、魚介出汁やネギ油が香る醤油ベースのスープが、ツルッとなめらかでコシのある麺に絡み、あっさりなのにコクのある味わいになっている。トッピングにはなるとやメンマ、海苔など昔ながらのものを用意。足し算ではなく引き算のラーメン作りに取り組み、シンプルだけど奥深い味わいに仕上げたという。
「2カ月で100万杯の大ヒットとなった要因は、もちろん味の美味しさはありますが、ネーミングやキャッチコピーなど昭和レトロを意識させたところが大きいと思います。巷では現在、空前のレトロブームが起きていて、タイガー魔法瓶が発売したレトロ柄復刻シリーズの炊飯ジャーが飛ぶように売れ、昭和の頃にはどの家庭にもあった“台所のジャラジャラ”こと珠のれんも大人気になっているのです。飲食業界でも『マクドナルド』や『松屋』が昔販売していた商品を復刻させるなどレトロブームが到来していますし、王将は絶好のタイミングでこの波に乗った印象ですね」（経済ジャーナリスト）
なお、餃子の王将では「忘れられない中華そば100万杯突破記念」として、同商品を注文すると餃子100円引き券がもらえるキャンペーンを7月7日〜23日まで実施するという。この機会に昔懐かしいけど新しい中華そばを味わってみてはいかがだろう。
（小林洋三）
