「餃子の王将」調味料撤去の告知にケチがついた「虫混入騒動」余波

 餃子の王将は2月14日、餃子のタレなどの調味料を卓上には置かず、客のオーダーのつど店員が席まで届けるシステムにすると発表した。他の飲食店で迷惑行為を撮影したイタズラ動画の拡散が相次いでいることを受けた対応と説明している。

 同チェーンを運営する王将フードサービスは、カスターセット(餃子のタレ、ラー油、酢、コショウのセット)の運用変更についての告知を公式サイトに掲載。「昨今、当社店舗や他の飲食店において衛生管理に関するトラブルが発生していることを受けて」とし、2月11日から餃子のタレなどを小皿に入れて提供していたというが、客から不満や不便の声が多かったことから今後はオーダーごとにカスターセットを店員が届けるという対応に変更すると説明した。

 また、衛生管理を徹底できるようにカスターセットは下膳の際に厨房に戻してアルコール消毒し、餃子のタレと酢の容器は1日に2回、ラー油の容器は1日1回必ず洗浄することも明らかにしている。

 2月9日、「週刊女性PRIME」が餃子の王将のタレ容器に虫が混入していたことを報じ、王将フードサービスはフランチャイズ店で同様の事案があったことを認めて謝罪している。今回のカスターセットの運用変更も、間違いなく虫混入問題が大きな要因となっていると考えられるが、告知ではかなり濁した表現になっているため、「虫混入をうやむやにしようとしている」と厳しい声もあがっている。

「虫混入が発覚したのは、利用客がYouTubeに動画を投稿して告発したことによるもので、その後の王将の対応も適切だったとみられることから、動画投稿による告発は行き過ぎた行為だったという論調にありました。しかし、今回の告知では『異物混入や汚損がないか』という表現だったため、他の事例もあったのではないかと邪推する声も見られています」(フリージャーナリスト)

 わざわざ“他の飲食店において”衛生管理に関するトラブルが発生しているなどと、言う必要はなかったのかもしれない。

(小林洋三)

ビジネス