1人では決められない!?
7月11日(日本時間12日)に行われるオールスターゲームのファン投票第2回中間結果が発表され、エンゼルスの大谷翔平がア・リーグ最多の188万票超を集めた。また同日には自身5度目となる週間MVPにも選ばれた。
受賞直後のドジャース戦ではサイ・ヤング賞3回のクレイトン・カーショーの前に4打数ノーヒット。連続試合安打は「15」で止まったが、12〜19日の7試合では打率.435、本塁打6、打点12。この驚異的な数字に、現地ファンの注目は球宴前日のホームランダービーに出るのかどうかに集まっている。
「2021年、大谷はホームランダービーに初出場し、1回戦で敗れました。同年後半戦の失速はこのホームランダービーが原因とも見られていました」(現地メディア)
「ホームランダービーはスイングを崩す」とも言われる。17年、ヤンキースのアーロン・ジャッジは優勝したが、同年のシーズン後半はスイングが大振りになり、不振に陥っている。以後、ジャッジは出場辞退の意向を示してきた。もっとも、名誉なこととして「出たい」と言う選手も少なくない。
「昨季、大谷は『投手』としても選ばれていますが、登板はしていません。一昨年のホームランダービーで、疲労感が大きいことを痛感したのでは。今季はチームも好調ですし、体力温存でDHのみの出場になりそう」(同前)
しかし「一昨年のリベンジを」と話す球団スタッフも多いという。
「一昨年は賞金15万ドル(当時のレートで約1650万円)を30人のチームスタッフに日ごろの感謝としてプレゼントしているんです」(現地関係者)
トレーナー、広報、職員、球場スタッフ、クラブハウスのスタッフなどに配られたという。全員が大谷の心配りに感謝しており、そのため「次はホームランダービーで優勝を!」と応援しているという。
「日本球界のように打撃投手が投げてくれるわけではありません。だから、余計に力が入ってしまうようです。エンゼルスのスタッフは、今度こそ大谷に勝ってもらいたいと願っています」(同前)
フィル・ネビン監督は不振に陥る可能性がある以上、「出ないでくれ」と思っているはず。だが、大谷のもとにはチームスタッフの思いも届いている。どうする大谷?
一昨年の15万ドルを30人で分けたら、1人約55万円。今年の優勝賞金は100万ドル(約1億4150万円)だ。チームスタッフのマジ応援もよくわかる。
(飯山満/スポーツライター)