伊藤園「お〜いお茶」に「ステルス値上げ疑惑」拡散のトホホな顛末

 とあるツイッターユーザーが伊藤園「お〜いお茶」の内容量が減っていると指摘し、ステルス値上げであることを暗に訴え話題となっている。しかし、内容量が減ったとされたのは発売されたばかりの新商品で、いわゆるステルス値上げにはあたらないのだが…。多くの人が疑心暗鬼になりすぎているのかもしれない。

「話題となっているのは今月3日に写真付きで投稿されたもので、『お〜いお茶』がこっそり500mlから460mlになっているとして、《貧困JAPANわろた》とツイートしているのです。この投稿は5万件以上のいいねが寄せられ、ステルス値上げを嘆く声も見られます。しかし、写真の商品は『お〜いお茶 〇やか(まろやか)』という5月29日に発売された新商品であり、もともと460mlの商品しか存在しないので、決してステルス値上げではないのです」(情報誌ライター)

 ちなみに、5月29日には「お〜いお茶 緑茶」と「お〜いお茶 濃い茶」の460mlサイズのスマートスリムボトルも自動販売機やEC業態限定で発売されている。しかし、こちらの商品は従来の600mlと比べて希望小売価格も160円から140円に下げられており、値段はそのままで内容量が減らされるステルス値上げには該当しない。

「なぜ、誤情報がここまで拡散してしまったかといえば、ここ数年は食材のステルス値上げが相次いでいるため、多くの人が条件反射で『またか…』と疑うことなく信用してしまったためでしょう。昨年3月には『イシイのおべんとクン ミートボール』が小さくなっているとの噂が流れ、製造元の石井食品が公式ツイッターで否定。また、今年1月にも2015年以降各社の板チョコのサイズが小さくなっているというツイートが話題になりましたが、実際にはサイズは変わっていないことが明らかになりました。このように誤情報がまことしやかに流布しているケースが少なくないので、SNSなどの情報を鵜呑みにして広げてしまわないよう注意する必要があるでしょう」(経済ジャーナリスト)

 伊藤園はお客様第一主義を謳い、「健康ミネラルむぎ茶」を同じ価格で何度も内容量を増量して、むしろ“ステルス値下げ”だと話題になったこともあった。批判するのならしっかりと情報を確認してからにしたい。

(小林洋三)

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