卵高騰でも「なか卯」が親子丼「値下げ」で見込む絶大効果

 4月5日、ゼンショーホールディングス(HD)は展開する丼ぶりと京風うどんの「なか卯」の看板商品「親子丼」の価格を6日から改定し、並盛を490円から450円へ値下げすると発表した。

 物価高や卵不足のエッグショックで材料費が高騰する中での突然の値下げ発表に驚きの声が上がっているが、果たして勝算はあるのだろうか?

「なか卯の親子丼は、大ぶりにカットした鶏肉と三種の醤油を合わせた特製割り下を使用し、飼料からこだわった濃厚卵でフワトロに仕上げた大人気メニューで、牛丼やうどんよりも注文数が多いといいます。その親子丼を商品設計や具材・ご飯の量に変更はないままに価格だけを下げるというから驚きです」(フードライター)

 物価高の影響で飲食チェーン各社が値上げを実施しており、特に卵を使ったメニューは鳥インフルエンザの感染拡大による供給不足、いわゆるエッグショックにより高騰している。今回の値下げについてゼンショーHDの広報は、エッグショックに対しては引き続き動向を注視していくとしているが、「生産性の向上や客数の増加によって対応できる」と説明している。

「もともとなか卯は牛丼とうどんをメインにしており、漫画『キン肉マン』の主人公の大好物として作品にたびたび登場する牛丼は同店のものがモデルとなっていたこともあって、いまだに牛丼チェーンとして認識している人も多いと思います。しかし、現在では牛丼だけでなく、『まぐろのたたき丼』や『鶏唐丼』『カツ丼』なども取り扱う丼ぶりと京風うどんのチェーンとなっているため、今回の値下げでは親子丼を前面に押し出すことで他の牛丼チェーンとの差別化を図り、存在感を上げる狙いがあるとみられています。なか卯はリーズナブルな朝食やセットメニューも豊富ですから、親子丼目当ての客数が増加すれば色々とアピール出来ますし、宣伝効果も大きいのではないでしょうか」(飲食店コンサルタント)

 親子丼のなか卯として知名度を上げていけるか。

(小林洋三)

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