特殊詐欺グループが暗躍!カンボジアは「アジアの新・犯罪者天国」だった

 海外を拠点にした日本人の特殊詐欺グループといえば、これまで摘発が報告されていたのはタイとフィリピン。そんな中、カンボジアでも当局の摘発により19人が拘束。4月11日に日本へ移送するチャーター機の機内で警視庁に逮捕された。

 世界遺産「アンコールワット」のある国として知られるカンボジアは、国民1人あたりのGDPがASEAN加盟10カ国中9位。情勢不安のミャンマーに次ぐ低さだが、犯罪者やアウトロー関係者などワケありの人たちには以前から大変人気があるという。

「銃は裏では流通していますが法律で所持が禁止され、銃犯罪はそこまで多くないですね。また、商用ではない長期滞在者もビジネスビザを比較的簡単に取得でき、しかも更新が何度も可能。物価もフィリピンやタイより少し安く、00年代から潜伏先としてだけでなくリタイア生活者にも人気がありました」(週刊誌記者)

 首都プノンペンには200軒を超す日本食レストランがあり、市内には「イオンモール」や「マックスバリュー」などもある。今回逮捕された詐欺グループが拠点としていたシアヌークビルは人口約7万人程度の海辺のリゾートタウンで、貿易港や軍港もあることから近年急激に発展を遂げている街だ。

「長期滞在者に人気の国内有数のビーチリゾートです。中国資本のカジノやホテルがあり、街は中国人だらけですが逆に日本人が溶け込みやすいと言えます。詐欺グループもそこに目をつけて拠点にしたのかもしれません」(前出・記者)

 だが、摘発されてしまった以上、カンボジアも特殊詐欺グループにとって安住の地ではなくなったのでは?

「今回はあくまで現地日本大使館にタレコミがあり、情報をカンボジア側に提供して検挙に至っただけ。現地当局が独自捜査で動いたわけではないので判断が難しいところです。ただし、東南アジアでもベトナムやラオスでは、まだ日本人特殊詐欺グループの摘発は確認されていません。次はこれらの国にアジトを置くケースも出てくるかもしれませんね」(前出・記者)

 東南アジアを舞台にした特殊詐欺グループの暗躍はまだ続きそうだ。

*写真は特殊詐欺グループの拠点があったシアヌークビルの街並み

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