「日高屋」会長が従業員に「自社株4億円」を贈与のメリット・デメリット

 4月6日、中華料理チェーン「熱烈中華食堂 日高屋」などを展開するハイデイ日高は、創業者の神田正会長が保有する自社株の一部を社員らに譲渡すると発表した。最近は賃上げをする企業も増えてきているが、株式を従業員に譲渡する行為には様々なメリットがあるという。

「神田会長は『長い間会社の発展のために尽力し、共に働いてきた従業員への感謝の気持ち』とし、今後さらなる発展を遂げて欲しいとの願いも込め株式贈与を決めたといいます。会長は2018年にも約15万株を社員らに譲渡していますが、今回はさらに約20万株、およそ4億3000万円相当を役員や社員、勤続年数などの条件を満たしたパート・アルバイトの計1100人に渡すといいます」(経済誌ライター)

 ハイデイ日高では今年2月、社員860人に5万~45万円の「特別感謝金」を支給。さらに4月からは3年連続となるベースアップを実施して正社員の給料を1万3000~1万5000円引き上げ、初任給も1万5000円増とするなど従業員への還元を続けている。そんな中でも、株式の譲渡はお金の部分だけではない相乗効果を生み出すという。

「海外では株式で報酬を支払う企業も増えており、従業員に株を持たせるメリットに注目が集まっています。メリットとして挙げられるのは、株式の価値を下げないよう従業員に労働意欲が生まれ、モチベーションアップにつながること。さらには、会社への愛着がわき、離職率が減少する効果もあるとされています。あえてデメリットを言えば、業績が悪化したときに当然ながら株式の価値が下がってしまうという問題がありますが、基本的にはメリットの方が大きいと言えるでしょう」(経済ジャーナリスト)

 日高屋はこれからますます成長を続けそうだ。

(小林洋三)

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