11月14日、JR大宮駅近くの中華飯店「来来軒大宮南銀座店」が閉店した。同店は今や全国に450店近くを出店する日高屋グループの1号店でルーツを作った店とも言われるため、閉店には多くのファンが別れを惜しんだが、1号店を閉店しても積極出店を続ける運営側には疑問の声も上がっている。
「大宮南銀座店は1975年に来来軒の2号店としてオープンしましたが、すぐに本店が店を閉じたためこちらが1号店となりました。南銀座という繁華街にあって24時間営業をしていたため飲みの場として利用されることも多かったですが、新型コロナウイルス感染拡大による時短営業や酒提供の自粛によって客が激減。緊急事態宣言解除も思うように客足が戻らなかったため11月のはじめ頃に閉店を決めたといいます」(社会部記者)
運営会社のハイデイ日高は、21年3月~8月期は売上高が前年同期を下回り、営業利益は26億円の赤字となるなど厳しい状況が続いている。さらにグループの礎となった1号店も閉店となったが、実は今期は27店舗の新規出店を計画するなど積極的に出店も続けているのだ。
「そもそも日高屋が躍進を遂げたのは、いち早く“ちょい飲み”需要取り込んだことにあると言われています。その証拠にコロナ前の同チェーンは売上高の約17%が酒類で、20時以降の売上が4割を占めていたが、そのために緊急事態宣言による時短営業と酒提供の自粛の影響をもろに食らった形となってしまった。ハイデイ日高の高橋均社長は、積極出店する理由にちょい飲み需要がなくならないことを挙げていますが、コロナ以前から大手飲食チェーンがこぞってちょい飲みに参入しており、ただ店舗を増やしてもちょい飲みの利用者が戻ってくるかは正直微妙と言えます」(経営コンサルタント)
2018年頃には、すでにそのちょい飲みブームもしぼみつつあったとも言われているが、果たして日高屋の戦略は吉と出るか。
(小林洋三)