日高屋「モリモリサービス券」の配布終了が招きそうな残念な事態とは?

 中華料理チェーンの「日高屋」は4月18日、同グループで利用可能な割引券「モリモリサービス券」の配布を4月30日をもって終了させることを公式ホームページで発表した。商品の値上げよりもサービス券の廃止を選んだ形になるが、この選択がむしろ客離れを進行させる可能性もあるという。

「モリモリサービス券は会計するたびにもらえる割引券で、次回の利用時の注文の際にこの券を見せると、『麺類の大盛り分無料』か『ライス大盛り分無料』か『味付玉子又は温泉玉子半額』のいずれかのサービスを受けることができます。日高屋を頻繁に利用する人は必ず財布に入っているので、ネット上では《永遠に続くと思っていたから愕然としている》など配布終了を惜しむ声が相次いでいます」(フードライター)

 関係者によれば、モリモリサービス券の廃止は「原材料費などのコスト上昇が原因」だという。日高屋は今月15日に7月31日まで全商品の価格据え置きを発表したばかりなので、その代わりということなのだろう。

「日高屋は18年4月に値上げを実施したことで想定外の客離れが起こり、16期連続の増収増益が途絶えた苦い経験があります。そのため原材料費の高騰が続く中でも、可能な限り値上げしたくないという思いもあるのでしょう。ただ、サービス券終了の影響は小さくなさそうです。特に常連客はモリモリサービス券ありきで利用していることが多く、いつも麺類の大盛り分無料サービスを使用していた人にとっては実質80円の値上げに相当するわけですからね。しかも、サービス券があることで、財布をのぞくたびに日高屋を思い出すという宣伝効果もあったわけで、これがなくなることで足が遠のくことも考えられます」(前出・フードライター)

 実際、SNS上にはモリモリサービス券終了を嘆く日高屋ファンの書き込みが見受けられる。

(小林洋三)

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